×

4年ぶりの通常開催“新居浜太鼓祭り”に“西条まつり” 東予の秋祭りにかける住民たち

2023年10月16日 19:14
4年ぶりの通常開催“新居浜太鼓祭り”に“西条まつり” 東予の秋祭りにかける住民たち
新居浜太鼓祭り

秋空に威勢のいい掛け声が響いています。ただイマ‟旬”のスポットやただイマ‟見ごろ”のものを「ただいま!」の時間帯に生中継でお届けする「ただイマLIVE」。きょうは白熱する東予の秋祭りの会場からです。

ライトアップされた太鼓台が1台1台入場し、会場が熱気に包まれてきました。新居浜市大生院の新居浜太鼓祭りの会場から、ただイマ!

西条インターチェンジから国道を新居浜方面に800mほど進んだこちらの会場では、大生院地区と中萩地区が合同で行う「夜太鼓」が始まっています。

こちらの会場の特徴というのが「寄せ太鼓」という、11台の太鼓台が並んで一斉差し上げが行われること。1台だけでも迫力はありますが、より威勢の良い勇壮な差し上げが楽しめるということなんです。

さて、豪華絢爛でしられる新居浜太鼓祭りは、大生院地区ではきのうから、そのほかの地区ではきょうから始まっています。

去年は新型コロナの感染対策から一部のかきくらべイベントが中止になっていたこともあり、ことし4年ぶりの通常開催となりました。ようやく戻ってきたこの秋の一大イベント。喜びの声や意外な方法で困った…を解決する新たな挑戦を取材しました。

16日午前、新居浜市立宮西小学校の校庭に集結したのは…校区内の4体の太鼓台!

児童に地元の祭り文化に親しんでもらおうと開催された、毎年恒例「お祭り集会」です。児童は、太鼓台のかき夫たちにサポートしてもらいながら、太鼓台を引っ張ったり、上に乗って指揮者の体験をしたり…太鼓台と一緒に運動場を2周しました。

男子児童:
「ちょっと怖かったけどやってみて終わったら楽しかったです」

男子児童:
「やる前は祭りってあんまり興味なかったけど、これをやったら楽しかったし(かき夫は)結構いい人たちだなと思いました」

参加したかき夫たちも…

本町太鼓台 岡部拓弥団長:
「楽しいまつりになりそうな感じです。熱い本町の祭りをみてほしいですね」

待ちに待った、お祭り!観客も朝から盛り上がっていました。

指揮者のマネをして笛を吹く女の子:
「教えてもらってない見ただけで覚えた」

新居浜市民の男性:
「でもやっぱり活気があっていいんじゃないですかね、やっぱり去年はそんなに太鼓みてなかったんですけど、今年からは色んなところ回ってみようかなという感じで」

滋賀県から帰省:
「きれいやね、やっぱりきれいだし音もええしね。ケガせんように無事に終わってくれたらと思います」

一方、商店街で行われたのは…かき夫体験ツアー!

新居浜の祭り文化を国内外に広め、伝統を受け継いでいきたい。そんな思いで口屋太鼓台を管理するNPO法人「さしあげプロジェクト」と、お祭り運営サポート会社「オマツリジャパン」が去年から実施しています。

事前応募で集まったのは、大阪や新居浜市内からの10人。

参加者の中には…

杉本記者:
「口屋太鼓台の上で指揮をとるのは、ノルウェーからやって来たテレビ局のスタッフです!」

世界各国を旅しながらドキュメンタリー番組を制作している、ルネさんとオースティンさん。

ノルウェー国立放送 取材スタッフ・ルネさん:
「人生で1回しかないような体験。自分は背が高くないので上にのって高いところから見れてすごいよかった。地域の人と住んでいなかったとしても同じ目線で接してくれる、そのアットホームさに感銘を受けています」

新居浜太鼓祭りの様子は、早ければ来年4月頃にノルウェーや北欧各国で放送される予定です。

取材をしていますと、新居浜や西条など秋祭りが活発な地域でも、かき手不足が課題という声が多く聞かれました。それを解決しつつ、観光振興にもつなげようという新しい取り組みといえます。

さて、東予全体が祭りに染まっています。お隣の西条市では西条まつりも盛り上がっています。

西条の人がアツく燃えた西条まつり。その熱気は、祭りが始まる前から高まっていました。

遡ること2日前。西条市内の商店街では。

白石アナ:
「ありました。だんじりですね、商店街の真横に置いてあるんですね」

近くのお店で話を聞いてみると…

西条商店街まちづくり協議会 越智將文会長:
「そこからそこまでだけで持ってる屋台うちの場合は30軒くらいで持ってるやつです。これ来年100年。これが大正15年ごろの写真。こちらのだんじりがまさにこれ」

この地域で大切に使われてきただんじりです。

祭りまであと2日。祭りに向けて、商店街の盛り上がりもピークを迎えつつあります。

越智会長:
「西条の祭りはトライアスロンみたいな祭りなので夜中中します。誇れる祭りなんで西条の魂ということで」

同じく商店街にある美容室では…

うちだ美容室 秦千草子店長:
「嬉しいです。そりゃ嬉しいです。どないしてあげる?って持っている技術は全部出したいなって思ってる」

実はこの美容室、7年前、取材でお邪魔していました。祭りに臨む若者たちの髪型の流行について聞いていたのです。

秦店長:
「これをしよった。いろんなものを持ってきて頭につけてくれって、提灯ぶら下げたりお人形のせたり蝶々つけたり編み込みしたりしてますけど」

1年に1度のお祭りを楽しもうと髪をおしゃれに。美容室には髪にラメを入れるスプレーや色を付ける専用のクレヨンなど、西条まつりの飾り付けに必要な道具がそろっています。

しかし、今年は…

秦店長:
「(去年)人混みにいかないでというムードのお祭りだったから(まつりの髪のセット)まるまる4年してないからちょっとみんなどないにする?今年どないにする?わからない。今度7,8組来るんですけどどないにする?って世界」

久しぶりのため、飾り付けは手探りの状態。

さらにまだまだ様子見をしている人がいるのか、コロナ前と比較すると、ことしの髪のセットの予約は半分に減少していると言います。

それでも、ようやく迎える通常開催の秋祭り。

秦店長:
「もうほんとありがたい。もう盛り上がらん(祭りがないと)街が盛り上がらん。もう絶対盛り上げたい、行きます。楽しく髪型もみて写メも撮らせてもらったりして(来年の髪セットのために)情報入れてきます」

もうひとり、祭りを熱望しているのがこちらの居酒屋のご主人。

お祭り庄助 高橋修さん:
「西条まつりはね、このカニがおらんかったらこのカニがおらんかったらおまつりにならんのよ。ワタリガニと言ってね、西条の沖でとれるんじゃけど」

まつりに欠かせないワタリガニの準備万端の高橋さん。

実はこの人、かなりの祭り好きで…42年前の映像には、おまつりを前に、太鼓をたたきながら仲間たちと過ごす様子が残っています。

この店、だんじり好きが高じて…

「あれをだんじりにしてあるんよ」

だんじりをイメージした屋上に、2階の宴会場には、360度各地区のだんじりの写真が。

さらに、壁に掛けられたカレンダー。

高橋修さん:
「10月から始まって。あと363日、あと362日、1日ずつ消していきよったら最後にここにやってくる。次の祭りまでのカウントをしている」

数年前に作るのを辞めたということですが、祭りを待ち遠しく待っている気持ちが伝わってきます。

「もう年はいったけどねやっぱりそわそわするね10月が来たらたまらんね」
Q.血が騒いできますか?
「血が騒ぐね。この年がきてもこれだけはおさまらん」

次男の豪さんも祭り好き。祭りに参加するために毎年10月には必ず帰省しています。

次男・高橋豪さん:
「金木犀が咲いたら騒ぐというか祭りが来たって。西条の人は金木犀の香りで、あ、お祭りが来たなってわくわくしてくる」

高橋修さん:
「祭りっていうのは非日常というか普段と違う。いろんな人が(西条に)戻ってくる。その仲間と祭りで会う。やっぱそこらが祭りの一番楽しいところ」

そして、16日。

白石アナ:
「西条まつり伊曽乃神社の祭礼は最終日。街中には多くのだんじりが練り歩いていて迫力ありますね」

市内中心部では交通規制が行われ、80台を超える神輿やだんじりが練り歩きました。

中には、先週取材した高橋さんの姿も。

高橋修さん:
「お祭りなかったら面白くないから皆盛り上がってる。これからが一番しんどいところなんよ。眠たい、辛い。だけどこれ頑張っていかんと、お祭りやから」

沿道には多くの人が訪れ、家族や地域の人を見守ります。

見物客たち:
「久しぶりなので楽しいです」
「太鼓の音とかもすごく盛り上がるし楽しいです」
「浮かれてきますよね。こんなに歳を取っていてもやっぱりお祭りはね」

4歳の娘と参加:
「もうやっと、やっとです。最高ですよ本当、もうみんなで汗かいて良かったです」

さて、西条では伊曽乃神社の祭礼のフィナーレを飾る川入りが行われましたが、新居浜も太鼓台がライトアップされ、見る人の目を楽しませています。

この大生院・中萩地区の夜太鼓は、16日午後9時ごろまでこの会場で行われます。

そして、17日は4年ぶりに新居浜上部地区の統一寄せが山根グラウンドで開催されるなど、18日まで新居浜市が熱気で包まれます。

また西条まつりは17日、飯積神社の祭礼でことしの秋祭りの幕を下ろします。

期間中、交通規制が行われている場所もありますので、市のホームページなどで確認の上、余裕を持った移動をお願いします。

    一緒に見られているニュース
    南海放送のニュース