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今が旬の高知の味覚『ひがしやま』 優しい甘さに込めた思い【高知】

2025年1月15日 18:55
今が旬の高知の味覚『ひがしやま』 優しい甘さに込めた思い【高知】
ねっとりとした舌触りと優しい甘さが魅力の、今が旬の高知の味覚「ひがしやま」。
南国市では、ひがしやま作りが最盛期を迎えています。

あめ色に輝く、ふっくらと干されたサツマイモ。高知県で親しまれる干菓子「ひがしやま」です。
高知では昔から冬場の保存食として作られてきました。
語源は諸説ありますが、昔は「干菓子山」と書かれていたのが「ひがしやま」という呼び方に変化したとされています。

■樺山夏帆アナ
「その冬の味覚、ひがしやまが作られているという南国市の作業所を訪ねました。実はここ、お茶を作っているところなんです」

南国市にある「香稜苑(こうりょうえん)」です。
香稜苑では茶葉の製造・販売をしていて、100年以上受け継がれた鉄窯を使って昔ながらの手作業でお茶を作っています。
ひがしやまを作り始めた理由を代表、土田美穂さんに伺いました。

<理由①>1つ目が茶葉を生産できない冬場の時期に何かできないかと考え15年ほど前にひがしやまを家族で作り始めた。
<理由②>高知の地場のものを広めたいと いう想いがあった。

そう思うようになったきっかけは、母との思い出にあります。
子どもの頃、母によく作ってもらっていた思い出の味が、ひがしやまだったそうです。思い出の味を広めたいと、ひがしやま作りをはじめました。
そのひがしやまを作っている場所を見せてもらいました。

■香稜苑 土田美穂代表
Qこちらは何をするところ?「布団に芋を寝かせている。寒い時はストーブあててる」

イモを保管する「イモつぼ」です。床下の空間を使って、もみ殻とともにサツマイモを保管しています。
今は、去年11月ごろに収穫したサツマイモを2カ月ほど保存している最中です。
こうやってしっかり寝かすことで芋の甘さが増し、ねっとりとした舌触りのおいしい仕上がりになるといいます。

ひがしやまに使うのは、紅はるかというサツマイモです。土田さん家族が作業所の近くで育てているもので、収穫時期は例年11月初旬ごろ。
収獲後の空気が乾燥して気温が下がる今の時期が、ひがしやま作りの一番の旬だということです。

保存後のサツマイモは手作業で皮をむいたあと、大きな窯へ。5時間ほどかけて茹で上げます。
乾燥機で一晩乾燥した後、ひとつひとつ手作業で筋や固い部分を取り除いていきます。

■土田代表の母 常子さん
「親が作って食べさせてくれたのを思い出して、子供にも作って食べさせてた」

作業はまだ終わりではありません。形を整えたサツマイモを1日かけて天日干しに。南国土佐の太陽の光をたっぷりと浴びせます。
今シーズンは3トンのサツマイモが収穫できたそうで毎日、忙しい日々が続いています。

最後はビニールハウスでまた10日ほど乾燥。長く乾燥させることで、甘みが増しておいしく仕上がるんです。
約2週間かけて、ひがしやまが完成です。

■土田美穂代表
「安心安全なのがこだわり。母の作り方で母と一緒に作っている。芋も自分たちで育てて、太陽の光をいっぱい浴びさせている」

土田さんには、地域の伝統を残したいという気持ちがありました。

■土田美穂代表
「手間暇かかるから作る人がいなくなっている。作らないと残っていかない。だんだん高知のものを作る人が少なくなっているから残したい。おばあちゃんが心込めて作っているから食べてもらいたい」

高知の冬の味覚、ひがしやま。一口味わうと優しい甘さに癒されること間違いありません。
香稜苑のひがしやま作りは、3月ごろまで続くということです。温かいお茶と一緒にいただいて、心も体もほっとあったまってくださいね。

香稜苑(こうりょうえん) 高知県南国市岡豊町笠ノ川480-1/℡090-1578-7565 香稜苑HP(https://kouryouen.com/)
ひがしやま2個セット:2200円(税込み・通販価格)
とさのさとAGRI COLLETTO(アグリコレット)・道の駅 南国風良里(ふらり)などで販売
最終更新日:2025年1月15日 18:55
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