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【食材高騰】コメと相性抜群のノリも値上がりソウルフードに影響…産地・浜名湖の異変とあわせ実情取材(静岡)

2025年2月14日 17:51
【食材高騰】コメと相性抜群のノリも値上がりソウルフードに影響…産地・浜名湖の異変とあわせ実情取材(静岡)

コメが高騰する中で、コメとの相性抜群の、あの食材も高騰しています。

1月28日「春節」の大型連休でにぎわう羽田空港。来日早々、手にしたのは日本のソウルフード おにぎり。

(香港から来た観光客)
『あああああおー うーん ああははは』『ノリがいいね』『ノリがないとだめだよ、米を食べてるだけになるから』

外国人観光客に人気のおにぎりですが…。欠かすことのできない「ノリ」が今、高騰しています。

ここは、静岡・磐田市で創業90年を超える老舗の米店。人気の商品は、プロの目で選び抜かれたこだわりのコメで握られる「おにぎり」です。20種類以上が販売され、さらに手頃の価格とあって、毎日、昼過ぎにはほぼ完売してしまうほど。

(客)
「ここのおにぎりおいしいので」「安いと思います」

(客)
「ここのおにぎりが好きで」「子どもに食べさせても安心感がある。おにぎりならいっぱい食べてくれる」

しかし、店を悩ませているのが米や具材の価格の高騰。その中でも「のり」の高騰が特に目立つと店の代表は話します。

(代表)
Q.物価高騰の影響高いものは?
「ノリかな。米も上がっているが」「(おにぎり用のノリ)1枚3円 から5円の時代から、今は10円、もっと高騰すると思う」

漁連や漁協が販売する「ノリ」1枚あたりの平均単価は、「2020年度」は10.48円でしたが、「2024年度」は31.01円と3倍近くに高騰しているのです。店では手ごろな価格を維持したいと大幅な値上げは控えていますが、それも厳しい状況だと話します。

(代表)
「ノリを使わない商品を出したりいろいろ考えることはいっぱい」「かなり厳しいですよ」「できれば、この値段でいきたいが、そうもいかないと思う。いきなり高くはできない。頭が痛いところ」

JF全漁連によりますと、ノリの価格高騰の原因は不漁。水温の上昇やクロダイの食害などだということです。農林水産省の統計では2019年、ノリ類の養殖収穫量は、約25万1300トンでしたが、2024年の収穫量は、約20万1000トンと、5万トンほど減少しています。

そして、「青のり」の産地である浜名湖でも異変が出ています。ノリ養殖場として200年以上の歴史をもつ浜名湖。水揚げの現場に行ってみると…。

(齋藤さん)
「この時期だと、多い時で、15杯(ケース)ぐらいはいくと思うので、そう思うと4ケース少ないので、トータル的に考えても、少なくなってきてるんで」

ノリの養殖業者、丸友水産の齋藤友浩さんは、5年前ごろから徐々にノリが獲れなくなってきたと話します。浜名漁協によりますと、2024年の同時期と比べても、「青のり」の出荷量は減ってきているといいますが、その原因として水温上昇などが考えられますが、はっきりとは分からないといいます。

(丸友水産 齋藤 友浩さん)
「ここ近年が海の環境が、変わってきたのもありますし、食害が、やっぱ食べられちゃうっていうのもあって、そういうのもあって減ってるっていうのも多分あると思うんですけど、海の環境のことなんで、本当になんともいえないんですよね」

磯の香りと、なめらかな舌触りが特徴の浜名湖産の「青のり」ですが、不漁が続くことによる価格高騰に対しては、不安もあるといいます。

(丸友水産 齋藤 友浩さん)
「確実に(ノリの単価が)少しは上がっているのは確かなので」「やはり寂しいですね」「『浜名湖のり』は、風味と食感と香りがすごくいいので、なんの料理に対しても合いますので、みなさんに食べてもらいたいっていうのがありますね」

身近で食卓に欠かせないのりの高騰は、家計への負担も増えそうです。

最終更新日:2025年2月14日 17:51
    静岡第一テレビのニュース