【新手特殊詐欺ご用心】被害額が前年上回る中…実在警察署など電話番号偽装する詐欺手口も増え注意喚起(静岡県警)

県警は19日、2024年1年間の特殊詐欺被害の現状について発表しました。実在の警察署や警察本部の電話番号を偽装して電話をかけてくる詐欺が急増していて、注意を呼びかけています。
県警によりますと、2024年1年間の特殊詐欺の被害件数は383件で、被害額は約16億300万円と、前年よりも約8億4400万円増加し、1件あたりの平均被害額は約420万円です。特に被害の多い手口はオレオレ詐欺で、件数は237件、被害額は10億7736万円と被害全体の約6割を占めています。
県警は、オレオレ詐欺が増加した要因として、警察など捜査機関をかたる手口が急増したことが背景にあると説明。警察などをかたる手口は、前年で3件しか被害が確認されていませんでしたが、被害件数は84件、被害額が約6億9200万円と、前年より約6億700万円も増加しています。この手口は、携帯電話からの接触が約4割を占め、50代以下の被害者が約4割と、幅広い年齢層がターゲットにされているのも特徴のひとつで、国際電話や非通知で電話が掛かってくるケースが多いとされています。
また、新たな手口として、実在の警察署や警察本部の電話番号を偽装して電話を掛けてくる詐欺も急増しています。県内では、県警本部の実際にある番号を悪用した手口が2024年1年間で39件確認されているほか、2025年に入ってから、東京・新宿警察署の番号を偽装した手口が3件確認されているということです。
警察をかたる不審な電話があった場合の対応について、県警の担当者は、「一度電話を切って、必ず担当者が本当にいるのか確認してほしい」と説明。実際、偽装した電話番号に折り返しの電話をすると、本来の警察窓口につながるケースも確認されているため、注意が必要だということです。
県警の水嶋春彦 生活安全部長は、「警察が国際電話や非通知で電話をすること、SNSやメールで連絡、警察手帳や逮捕状を見せることは絶対にありません」と注意を喚起し、不審な電話があった際は最寄りの警察署に相談してほしいと呼びかけています。