【消防隊員死亡ビル火災】市の検証結果に対する元隊員の反論に…市長は「賛同できない」(静岡市)
2022年、静岡市で消防隊員が死亡したビル火災をめぐり、当時、消火活動を行った元消防隊員が市の検証結果に反論したことについて、13日、静岡市の難波市長は「賛同できない」と話しました。
2022年8月、静岡市葵区呉服町のビルで火災が発生し、消火活動を行っていた消防隊員一人が死亡しました。この火災をめぐり、2月に静岡市は「活動基準に反し、隊員同士を命綱でつながず建物に進入したことが事故につながった」などとする検証結果を公表していました。
これに対し、3月6日、当時現場で消火活動にあたった元消防隊員が会見を開き「命綱をつけずに活動した現場の判断は問題なかった」と反論しました。
(元消防隊員)
「なぜ(命綱などを)使用しなかったのか。今の時代にそぐわない方法であり、安全でもなければ合理的な証明もされていないからです」
一方、13日の会見で、静岡市の難波市長は、元消防隊員の意見は受け止めるとしつつ「命綱をつけていれば死亡事故は防ぐことができた」と改めて主張しました。
(静岡市 難波市長)
「私は賛同できません。命綱をつけて進入していれば、かつ火点に背を向けないで退室していれば、1人残されたことに気づかずに亡くなる事態は避けられたと考えている」
その上で、難波市長は、2024年度から設置する「消防管理室」で「消防隊員の活動基準」の見直しを進めていく意向を示しました。