核のごみ新たな局面に…寿都や神恵内そして北海道への影響は?佐賀県玄海町が文献調査受け入れ
佐賀県の玄海町の町長がきょう(2024年5月10日)、高レベル放射性廃棄物いわゆる「核のごみ」の最終処分場を選ぶための「文献調査」を受け入れることを表明しました。
後志の寿都町と神恵内村に続き全国で3例目となります。道内への影響は今後どうなるのでしょうか。
( 佐賀県玄海町脇山伸太郎町長)「これまでの町議会等のご意見やご議論、加えて国からの要請を熟考した結果、文献調査を受け入れる決断に至りました」
佐賀県玄海町議会は10日午前10時から非公開で全員協議会を開きそのなかで脇山町長は、原発から出る高レベル放射性廃棄物いわゆる「核のごみ」の最終処分場を選ぶための文献調査を受け入れることを表明しました。
( 佐賀県玄海町脇山伸太郎町長)「玄海町での取り組みが日本社会にとって欠かせない最終処分事業への関心が高まるのにつながり国民的議論を喚起する一石となればという想いであります」
玄海町では4月26日、文献調査への応募を求める請願が町議会で採択され5月1日、経済産業省が町長に調査の実施を申し入れていました。
文献調査は2020年に後志の寿都町と神恵内村で全国で初めて実施されました。
現在、国側がいずれのマチも概要調査に進む「候補地」とする報告書を取りまとめています。
寿都町では文献調査の受け入れをめぐり賛成派と反対派、まちが二分する状況も生まれました。
寿都町の片岡町長は当時、再三、こう訴えてきました。
( 寿都町・片岡春雄町長)「まず核のごみというものを私はテーブルにのせたい一石を投じたい」
佐賀県玄海町の「文献調査」受け入れについて片岡町長はきょう取材には応じませんでした。
また、寿都町の町民は
(寿都町民)「核のごみの問題で賛成する人と反対する人が寿都と同じように揉めるというか軋轢が起きるというのは」「寿都と神恵内と同じことがまたもう1つ増えたという認識ではいます」
(寿都町民)「うれしいことでしょうこんないい話はないでしょう」「やはりね、この核のごみをね最終処分をどうしたらいいか本気で日本国民全員で考えようということで同意したと俺は思ってる」
また、神恵内村の高橋村長は「議論の輪が全国に広がりさらに新たな調査地区が出てくることに加え高レベル放射性廃棄物の最終処分について関心が高まることを期待します」とコメントを発表しました。
一方、鈴木知事は
( 鈴木直道知事)「国が前面に立って政策に向き合って考えていかなければならない小さな町や自治体1つがそれを背負うということにはならない」
寿都町と神恵内村では次の「概要調査」の賛否を問う住民投票を検討していて今後、議論が加速する可能性があります。