エゾシカをおいしく食べて農業被害を救え 魅力伝えるプロの料理に家庭向け料理教室も 北海道
シカの出没が北海道内各地で相次ぎ、農業被害も深刻になっています。
そのなか食材として有効活用し、料理教室やホテルの朝食ブッフェでシカ肉の魅力を伝える取り組みが広がっています。
食べ応え満点!
存在感を放つ大きな肉が入ったカレーライス。
(恩田記者)「ごろっとしたシカ肉がとても柔らかいです。スパイスも効いているので、とても食べやすいカレーです」
肉の正体は、根室でとれたエゾシカです。
(イビススタイルズ札幌 堀江亮料理長)「根室の海風を浴びて育った牧草をシカが食べているので、肉自体に臭みもなく、ほどよく塩味がついている肉になります」
札幌市中央区のホテルです。
シカ肉のカレーを朝食ブッフェで提供しています。
香味野菜と赤ワインで一晩漬け込んだシカ肉を炒めて30分煮込みます。
初めての人でも食べやすい、まろやかな味わいに仕上げました。
外国人からも好評で、今後もシカ肉の新しいメニューを開発したいと意気込みます。
(イビススタイルズ札幌 森田雅春支配人)「北海道でエゾシカ肉を食べたという1つの大きな体験になると思うので、観光とあわせて楽しんでもらいたい」
市街地で相次ぐシカの出没。
道内のエゾシカの生息数は推定72万頭で、15万頭ほどが捕獲されていますが、食用としての活用が課題となっています。
道東の中標津町では先週、家庭向けの料理教室が開かれました。
全てのメニューにシカ肉を使用。
うま味と肉汁が凝縮されたハンバーグに…
ほろほろになるほど柔らかく煮込んだカレースープも。
札幌で料理教師室を開いている講師の青山則靖さんです。
(キッチンサポート青 フードプロデューサー 青山則靖さん)「タンパク質が多く鉄分も多い。鶏のレバーと同じくらいの鉄分があるので、女性など貧血気味の人はシカ肉を食べると解決できちゃう」
煮込んだ時、アクを十分に出し臭みを抜くのがポイント。
この日は根室や清里町などから男女およそ20人が参加しました。
(清里町の農家)「有害駆除されるシカが多いので、こんなにおいしく作れるんだとびっくりしました」
(中標津町のハンター)「全然臭みはなかった。うま味しかなかった」
シカ肉の消費拡大へ。
北海道ならではの食材として有効活用する動きが広がっています。