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身近に迫るクマ 危険な捕獲 ベテランから学ぶ若手ハンター クマと向き合う 北海道

2023年12月16日 8:30
身近に迫るクマ 危険な捕獲 ベテランから学ぶ若手ハンター クマと向き合う 北海道

北海道ではことしもクマの出没が相次いでいます。

身近に迫りつつあるクマとどう向き合うか。

クマ対策を「自分事」として捉え、知識と技術を身につけ始めた人たちを取材しました。

ベテランハンターからクマ捕獲を学ぶ

銃を構える1人のハンター。

仕留めたのは、シカです。

肉をとるため解体を始めたのは、栗山町の農家・吉田努さん47歳です。

(吉田努さん)「まったくこんなことやるとは想像していなかったですね。向こうに住んでいた時は」

神奈川県に住み、サラリーマンとして働いていた吉田さん。

7年前に栗山町に移住し、メロンなどを育てる傍ら、シカを撃つハンターとして活動しています。

シカの解体を手伝っているのは、猟友会の正井文雄さんです。

(記者)「いまの撃ち方は?」

(北海道猟友会栗山支部 正井文雄支部長)「完璧でないのかい、さばき方はいまいちだけど」

吉田さんにとって正井さんはハンターの師匠。

そんな師匠から最近学び始めたことがあります。

2人が向かったのは町内に仕掛けられた箱わな。

出没が相次ぐクマを捕まえるために町が設置したものです。

箱わな設置 危険が伴うクマの駆除 

(北海道猟友会栗山支部 正井文雄支部長)「吉田、見とけよ。クマ入る、えさ食いに来たら踏み板を踏む」

教えているのは箱わなでクマを獲る方法。

吉田さんはまだクマを撃った経験がありません。

(北海道猟友会栗山支部 正井文雄支部長)「こっから爪出してくるから、下手にこういうところに銃やったらバンってくるから」

檻の中のクマにどのようにとどめを刺すかー

ベテランハンターの貴重なアドバイスに、吉田さんの目は真剣そのものです。

(北海道猟友会栗山支部 正井文雄支部長)「クマも10匹いたら10匹性格が違うから、逃げるクマもいるだろうし、かかってくるクマもいるだろうし」

(吉田努さん)「やっぱり怖いですね、シカは襲ってくることないですけど、クマは襲ってくるかもしれないので。できるだけ先輩たちの技術は吸収したい。でも本音を言えば、クマには山で遭いたくないし撃ちたくない」

ときに危険を伴うクマの駆除。

それでも吉田さんが技術を学ぶのには、切実な理由がありました。

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衝撃…自宅の周辺にクマが出没
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