運転手不足というが…大混雑&次のバスまで3時間 利用客影響大きすぎ今年4回目の減便 札幌市
路線バスの減便に歯止めがかかりません。
「ジェイ・アール北海道バス」は2024年6月3日から、札幌市内を中心に54便の減便に踏み切りました。
深刻さを増す運転手不足に、乗客から悲鳴ともいえる声が上がっています。
(石黒記者)「こちらのバス停では減便のお知らせが張られていて、6時台や7時台など通勤時間帯の便が運休となっています」
減便となったのは「ジェイ・アール北海道バス」の手稲・琴似・厚別エリアのほか、新札幌駅と江別駅前を結ぶ便など平日の24路線あわせて54便です。
手稲営業所前の停留所では、便数が減ったことで1台のバスに利用客が殺到。
到着したバスに乗客が乗れない事態も。
(バス利用客)「バスが来るのもいつもより遅いし、かなり混んでいるのかなと。だからもう1本早くするか2本早くするか。ぎりぎりか間に合わないかわからないので、いま迎えに来てもらいます。車で送ってもらう」
(バス利用客)「87歳なので車をやめちゃったので、だからバスばっかり頼りにするから、バスがないと本当に不便ですね」
(石黒記者)「一方で星置にあるこちらのバス停では、およそ1時間に1本程度バスが走っているのですが、中でもその2本がきょうから運休になりました」
JR星置駅に向かう路線バスが停車する星置2条7丁目の停留所です。
減便により、午後1時29分のあとはなんと、3時間後の午後4時29分までバスがありません。
そこで、なんとか星置駅方面へ向かおうと、試しに別系統のバスが走っている1つ先の停留所に5分ほど歩いて行ってみると…
その停留所はもっと便数が少なく、朝の時間帯しか運行していませんでした。
星置駅方面に向かうバスは、今回の減便で3時間の空白が避けられない状態になったのです。
札幌市内の路線を中心に、ジェイ・アール北海道バスの減便は、ことし(2024年)に入ってから今回でなんと4回目です。
慢性的な運転手不足に加えて退職者が急増し、およそ60人分もの労働力が足りない状況だといいます。
北海道バス協会ではさらなる運行状況の悪化を懸念しています。
(北海道バス協会 今武常務理事)「路線バスの場合は朝6時ぐらいから動き出しますよね。全体としては1日の縛られる時間が、休息の時間があったとしても長くなるというのが、ほかのトラックやタクシーとまた違うところかと思います。なかなか運転手さんをバス会社が希望する通りに確保できないのが、いまの現実になっています」
ジェイ・アール北海道バスでは、今回の減便で1日およそ1800人に影響が出るとしています。
しかし減便の期間は未定で、当面の間利用客にとっては不便な状況が続きそうです。