「ハンターに丸投げ」相次ぐクマ出没 市街地の猟銃使用緩和へ 事故の責任に不安の声も 北海道
クマによる被害が相次いでいることを受け、国は現在禁止されている市街地での猟銃の使用について、一部緩和する方針案を示しました。
しかし、事故が起きた際の責任の所在については明確にされておらず、ハンターからは不安の声が聞かれました。
(道猟友会砂川支部 池上治男支部長)「住宅のあるところでハンターは撃ちませんよ。撃ったらだめだと判断するから」
砂川市のハンター・池上治男さんです。
市内ではこれまでも住宅街でのクマの出没や畑を荒らす被害が数多く発生していますが、有効な手立てが打てずにいます。
現行法で、警察官の指示があった場合などを除いて、市街地での猟銃の使用が原則禁止されているからです。
こうした中、全国的にクマの被害が相次いでいることを受けて、国は23日、専門家でつくる検討会に、猟銃の使用を一部緩和する方針案を示しました。
人的被害が出る恐れがある場合や建物の中にクマが入り込んだ場合などに、警察官の指示がなくても猟銃を使用できるようにします。
この方針案について、検討会の委員から反対意見は出ませんでした。
会見で鈴木知事は…
(鈴木知事)「全国でも出没が多く確認され危険が高まる中で、法改正に関する議論が行われること自体は前向きに受け止めたい」
一方で、事故が起きた際の責任の所在については明確に示されていません。
ハンターの池上さんは不安を感じています。
(道猟友会砂川支部 池上治男支部長)「ハンターに丸投げ、責任を負わせるような形での法律の緩和は、ハンターは首をかしげてしまうかな。ハンターが保護されているのかどうかが一番大事なこと」
国は夏ごろまでに検討会の意見を取りまとめる方針で、その後、国会に改正法案が提出される見通しです。