“カスハラ”対応に乗り出す企業で研修会 「警察と積極的に連携を」現役の警察官が講師に 《新潟》
顧客からの理不尽な要求、いわゆるカスタマーハラスメントから社員を守ろうと新潟市の企業で研修会が開かれました。犯罪につながるおそれもあるカスハラ。講師は現役の警察官です。
背筋を伸ばす社員たち。マイクを握ったのはスーツ姿の警察官です。
〈新潟南警察署 生活安全課 大橋裕哉課長〉
「脅迫により理由なく土下座をさせたり謝罪文を書かせたり、 代金を免れたりした行為は強要罪となります」
新潟市南区にあるダイニチ工業で開かれたのは「カスハラ対策研修会」です。実際に業務で電話対応に当たる社員が参加しました。講師を務めた警察官は新潟市内の病院に理由なく居座り続けた男が逮捕された事例を交えてこう呼びかけました。
〈新潟南警察署 生活安全課 大橋裕哉課長〉
「関係者からの110番通報で臨場した警察官が男を不退去罪で現行犯逮捕しております。警察との連携も積極的にご検討いただきたい」
政府は3月11日、カスハラの防止策を企業に義務付けることなどを柱とした改正法案を閣議決定しました。カスハラはいまや社会問題化しています。
ダイニチ工業でも過去に客からの強い口調や長時間対応を求められたことで社員が仕事を休んだり業務を続けられなくなったりした事例があったということです。研修を受けた社員もカスハラを受けた経験があるといいます。
〈参加した社員〉
「半日は引きずりますね。組織で動くことと、自分の判断だけで動かないことを大事にして毅然とした対応をしたい」
〈参加した社員〉
「電話対応だと焦ることもある。きょうの話でていねいな対応が大事と言っていたので心掛けたい」
南署では、犯罪にあたる場合は110番を、対応に迷う場合は相談窓口#9110へ連絡してほしいと呼びかけています。