「令和の米騒動」本質を探る意見交換会 消費者・生産者が考える農業の課題 《新潟》
全国でコメが不足した「令和の米騒動」。その本質を探ろうと専門家を招いた意見交換会が行われました。消費者と生産者、それぞれの立場から見えてきた農業の課題とは…
市民団体が企画したコメ問題についての意見交換会。生産者や消費者など約50人が参加しました。
〈消費者〉
「98円のブロッコリーが298円になるより1700円のコメがいきなり4000円近くになると心のショックが大きい」
〈消費者〉
「いまの価格と前の価格どっちが農家にとっては適正な価格なのか消費者にはわからない」
〈生産者〉
「トラクター、田植え機も同じように値上がりしていますので、去年のコメと比べてことしがべらぼうに高いから、相当農家が儲かっているというのは全くの誤解です」
全国からコメが消えたとされた「令和の米騒動」。その余波もあり、現在もコメの高値が続いています。
政府は3月、備蓄米を放出。しかし、19日にはコメの取引価格が再び過去最高値を更新しています。
「消えた」とされてきた約21万トンのコメ。これについて新潟大学の伊藤亮司助教は「政府が生産量をうまく把握できていなかったのでは」と指摘しました。
〈新潟大学 伊藤亮司助教〉
「いよいよ備蓄米を放出するタイミングでもあるからこのタイミングで闇に紛れていれたらいくらでも売り時なんですよね。それでも出てきてないということはそう簡単に出る状態で隠し持たれているわけではたぶんないんです。政府も把握しきれなかった、思ったよりとれてなかった説」
また、この日、議題にあがったのが農業の後継者の問題です。
〈生産者〉
「農業はお金にならない。いまこれから20代、30代の子どもに田舎で農業をしろといってもするはずがない。親もやってないんだから」
〈生産者〉
「コメ作りは新規就農には厳しいなと実感しています。正直、コメで儲ける、コメで食べていくというよりは、地域の保全というかボランティアのような感じで」
「令和の米騒動」から見えてきた農業の課題。食卓への影響はいつまで続くのか。見通しは不透明なままです。