【地震保険】液状化被害の新潟市西区で調査 どのような補償が受けられるのか 能登半島地震 《新潟》
元日の地震により液状化の被害が相次いだ新潟市西区。
今、地震保険の調査も続いています。被災者の生活を支える地震保険。どのような補償が受けられるのでしょうか?
液状化被害が発生した新潟市西区
新潟市西区の善久地区に住む山田定雄さんです。自宅は地盤が大きく沈み、建物が傾いたといいます。
山田定雄さん
「裂けてますよ」「揺れじゃなくて、液状化なんですよね」
元日に発生した地震では、西区を中心に液状化被害が多く発生、善久地区では住宅などが深刻な被害を受けました。
自宅が傾く被害
山田定雄さん
「座ってられない。こんなになっているから。場所によって、あちこち傾きが違う。体も変なところに力が入っちゃって、意識がふらふらしている」
引っ越した住民も
地区の住民の中には、地震の後、住み続けることができなくなり、引っ越した人もいるといいます。
それでも山田さんは・・・。
「私は残ります」
山田定雄さん
「皆さん怖がって他へ引っ越しされる方がほとんどですけど、私は残ります。母親と暮らした思い出、それは引っ越せばなくなりますので、この地に住んでずっと家を守る。母が天国から見ていると思いますので」
母との思い出が残るこの家で暮らし続けることを決めました。
地震保険の調査が行われる
鑑定士
「きょうは傾斜を重点的にやらせていただこうと思うのですが」
頼ったのが地震保険です。先週、山田さんのもとへ保険の鑑定士がやって来ました。始まったのは、建物や地盤の調査です。地震保険で支払われる金額は、損害の程度に応じて決まります。
支払われる金額とは
全損の場合はかけた金額の100パーセント、一部損は5パーセントなど4つの区分で分けられていて、山田さんの場合は全損で1000万円、一部損は50万円となります。
液状化被害の場合は、必ず2回の調査が行われます。
2回目の調査では
1回目は建物の調査。ここで山田さんは一部損と診断されていました。そしてこの日は2回目。地盤の調査です。沈み具合を計り、建物の傾きなどを調べます。
鑑定士
「基礎の端と端で水平を出して、その水平線との差。建物の向こう側の傾斜は沈下量差で、250(ミリ)位あります。25センチぐらいあります」
液状化による傾きが1度を超えると全損に認定されますが。
調査を終えて
鑑定士
「少なくとも1辺で1度、全損の認定基準を超えていますので。私の方から報告させていただきます」
保険会社は今後、調査の結果を分析して、損害の程度を決めるとしています。
山田定雄さん
「役所の補助金だと全然足りませんでしたから、どうしようかと思っていました。借金をしようかと思っていました。保険がこれでおりると家の改築が可能になりますので」
地震から1か月余り。被災した住民は地震保険も活用して、生活の再建を進めています。
どのような保険なのか
そもそも、地震保険とはどういうものなのか専門家に話を聞きました。
ほけんの窓口・プラッツ亀貝店 黒澤健彦店長
「地震保険単体では加入ができないんですね。火災保険に付帯する形での加入じゃないと契約できないものになっています。どこの保険会社で地震保険に加入されたとしても内容は全く同じになります。保険料も全く同じになります」
地震保険は法律に基づいた国と民間保険会社が共同で運営している公共性の高い制度です。単体での加入はできず火災保険とセットで加入しなければいけません。
そして、黒澤さんは地震保険のイメージと実際の補償内容が、かけ離れている場合があると指摘します。
「被災者の生活安定に寄与する目的」
ほけんの窓口・プラッツ亀貝店 黒澤健彦店長
「目的が被災者の方の生活の安定に寄与するところが、そもそもの目的になっているので、家を建て直すことを目的としているわけではないんですね。それを基に、遠くの親戚とか全然関係ないところのホテルに住まうのか、お金が必要になってきますよね。そこに対する支度金という意味合いが一番の目的なんですね」
さらに、検討する際に注意する点があると話します。
注意する点とは
ほけんの窓口・プラッツ亀貝店 黒澤健彦店長
「損害が出ました、イコール補償されますよとは限らないという点があるということですね。例えば建物ですと、柱・屋根・基礎・外壁、このあたりに損壊がない場合、なかなか補償の対象にならない。例えば室外機がちょっと壊れてしまったとか、フローリングにちょっとヒビが入ってしまった、それぐらいでは補償の対象にならないというところは知っておいた方が良いポイントになるかなと思いますね。一部の保険会社においては上乗せしてできますよという商品もございますので、払える範囲の保険料で用意しておくのも1つのリスク対策になるんではないかなとは思いますね」
2024年2月7日「夕方ワイド新潟一番」放送より