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娘との再会果たせず有本明弘さん死去 存命な親世代は横田早紀江さん1人に

2025年2月17日 19:38
娘との再会果たせず有本明弘さん死去 存命な親世代は横田早紀江さん1人に

北朝鮮による拉致被害者、有本恵子さんの父・明弘さんが亡くなりました。帰国を待つ親世代は横田めぐみさんの母・早紀江さんの1人に。2月17日、その胸の内を語りました。

気持ちを分かち合える大切な存在がまた1人亡くなりました。

〈横田早紀江さん〉
「もう言葉がないですけどね。やっぱり間に合わなかったってまず思いましたね」

北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの母・早紀江さん。悲痛な思いを語りました。

有本明弘さん。1983年、ロンドンに留学中だった娘・恵子さんは北朝鮮の工作員に拉致されました。

1997年に結成された拉致被害者の家族会。写真を手に娘の救出を訴えた明弘さんと妻の嘉代子さん。横田さん夫婦とともに救出に向けて動き出します。

2002年に実現した日朝首脳会談。北朝鮮はめぐみさん、恵子さんなど拉致被疑者8人について「死亡」と一方的に通告します。

〈有本明弘さん〉
「この子たちは今から14年前に、自分の親元へ手紙を送ってきました」

北朝鮮の主張を裏続ける客観的な証拠はなく家族は娘の救出を訴え続けてきました。しかし2020年に嘉代子さんが94歳で、滋さんが87歳で亡くなります。

明弘さんは90代になってからも集会や総理大臣との面会のたびに車椅子で上京し、被害者の帰国を求める活動に力を尽くしてきました。しかし、娘の恵子さんとの再会を果たせぬまま2月15日、帰らぬ人となりました。

〈横田早紀江さん〉
「(有本さんは)熱心で本当に一生懸命でした。助けなきゃという思いで」

帰国を果たせていない拉致被害者の家族で存命の親世代は早紀江さん1人となりました。

〈横田早紀江さん〉
「一番最初から本当によく動いてくださる方で、『救出してください』って言うために一生懸命に動いてきた方。有本さんだけは本当に一目会わせてあげたかった」

家族会は16日、今後の活動方針を決める会議を開きました。「親世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国を実現させること。それが北朝鮮への人道支援などの条件だ」などとし、一刻も早い解決に向けた対応を政府に求めています。

〈横田早紀江さん〉
「いよいよ一人になっちゃったなというむなしい思い。こんな大変な問題なのに何にも進歩していかないこの日本って何なんだろう」

96歳で亡くなった明弘さん。その死が過ぎ去ってしまった時間の重みを問いかけます。

最終更新日:2025年2月17日 19:38
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