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【子育て】“ファミサポ”の人手不足 親に代わって子どもの見守りや送迎 サポート依頼が多い一方で、高齢で辞める人も… 《新潟》

2024年6月8日 17:55
【子育て】“ファミサポ”の人手不足 親に代わって子どもの見守りや送迎 サポート依頼が多い一方で、高齢で辞める人も… 《新潟》

親に代わって子どもの見守りや送迎を行うファミリーサポート、通称“ファミサポについてです。

サポートを依頼する家庭が多い一方、実施自治体では支援する側の人手不足がいま大きな課題となっています。

◆サポートする人と親子を結ぶ制度

長岡市の今井瑞枝さん(69)です。
子どもたちも自立し、今井さんは11年前から地域の子育て支援を行っています。

この日も2人の子供を育てている母親が、今井さんの自宅にやってきました。

<依頼人の母親>
「お願いします」
<今井さん>
「はい、はい」

今井さんと親子を結ぶ制度が“ファミサポ”です。

◆子育てをサポートする制度に課題が

ファミリー・サポート、通称“ファミサポ”は育児の援助をしてほしい依頼会員と援助をしたい提供会員とを結ぶ取り組みで、保護者に代わって子どもを見守ったり塾や児童クラブなどへ送迎を行うのが主な活動です。

活動は有償のボランティアであることから料金は1時間・数百円ほど。多くの場合、依頼会員の支払う料金が提供会員にそのまま渡される仕組みです。

【ファミサポを利用する清水陽子さん】
「大変ありがたく上の子からずっとお願いしていまして、今回下の子もお願いしていまして本当に安心してお任せ出来て。私も今井さんとお話すると心が癒されるといいますか、本当にファミリーでサポートしてもらっています」

塾講師という母親の清水さん、こう話すと足早に仕事へ。

◆地域で子育てをサポート…しかし課題も

今井さんは、父親が迎えに来る夜7時までの2時間、兄の昊明(こうめい)くん(8)と妹の瑚泊(こはく)ちゃん(1)を自宅で見守ります。

ちょっぴり不安な琥珀ちゃんは涙がぽろぽろ……。
おもちゃをあげたりお菓子を食べたりしながら過ごすこと数十分。
ようやく笑顔を見せてくれました。

【長岡市・今井瑞枝さん(69)】
「妹さんがいない時から昊明君を見ているのですごい妹が生まれるっていうのを楽しみにしていたんだよね。本物の妹がみられました」

子育てを地域でサポートするこの制度……いま大きな課題を抱えています。

長岡市の依頼会員と提供会員の割合はおよそ7対3。

提供会員の多くは60代以上と高齢化する一方、新たな提供会員は思うように集まらないといいます。

【長岡市子ども・子育て課 丸山晃英さん】
「PR不足のところも多いと思いますし、あとはファミサポの提供会員になってもらうために3日間の講習をうけてもらっているんですよね。3日間の講習が負担だなと思っている人が大勢いる」

提供会員の不足は長岡市以外でも……。

◆都市部で人手不足

“ファミサポ”を導入している自治体の中で幼児・児童の人口が多い新潟市・上越市・新発田市・燕市にも聞き取りをした結果、いずれも「提供会員が足りない」と回答。

特に深刻なのが新潟市です。
昨年度、依頼会員の人数が2256人に対し提供会員は412人。支援する人の多くは65歳以上と高齢で年齢を理由にやめる人も多く、サポートの依頼に対して対応できないケースも出ています。

◆子育て中の人は

新潟市で子育て中の人に話を聞いてみる事にしました。

【新潟市に住む母親は】
「以前登録だけしてその際に提供者の方との結びつきがうまく行かなくて使えなかった感じです。
中央区の万代で(支援できる人は)一名でした。(それを聞いたときは)え?少ないなって思いました」

◆報酬の安さも要因の一つ

提供会員不足は報酬の安さも要因の一つです。

上越市ではやめた提供会員から「物価高で生活が苦しく働きに出る」といった声が聞かれたことから、昨年度から報酬に市が200円を上乗せする取り組みを開始。

新発田市・燕市でも今年度、同様の補助が始まりました。

◆地域の育児を支える

長岡市の今井さんのお宅です。
午後7時、仕事を終えた父親が子どもたちを迎えにやってきました。

地域のつながりを深める“ファミサポ”。

【長岡市・今井瑞枝さん(69)】
「もうしばらくは続けられるかなぁと思って。続けられる間はやっていきたいなと思っています」

今井さんは子育ての先輩として、これからも地域の育児を支える考えです。

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