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【交通・乗り物NEWS】どうなる被災のJR米坂線 「当社が運営することを前提とした復旧は難しい」JR東日本《新潟》

2024年6月2日 18:03
【交通・乗り物NEWS】どうなる被災のJR米坂線 「当社が運営することを前提とした復旧は難しい」JR東日本《新潟》

おととしの豪雨で被災した新潟、山形を結ぶ米坂線についてJR東日本は、復旧した場合の利用者の試算を初めて示しました。復旧を望む沿線自治体に対しJRは、「当社が運営することを前提とした復旧は難しい」と指摘しました。

坂町と米沢を結ぶJR米坂線

新潟県村上市の坂町駅と山形県米沢市の米沢駅の間(約90キロ)を結ぶJR米坂線。

被災し運休が続く

2022年8月の豪雨で被災し、坂町と山形県の今泉の区間が1年半以上、運休が続いています。

この区間では代行バスが運転されています。

3回目の復旧検討会議

5月29日に山形県で開かれた3回目となる復旧検討会議。

沿線自治体とJR東日本の関係者が顔をそろえました。

復旧費用86億円

運休が続く米坂線の坂町~今泉間。

復旧費用は86億円に上り、大きな課題となっています。

そして。

利用者数の試算 1日あたり219人にとどまる

JR東日本 新潟支社 三島 大輔 企画総務部長
「米坂線の復旧に向けては、復旧費の負担の在り方に加えまして、復旧後に将来にわたって 安定した運営ができるのか、復旧後にどれだけのご利用が見込めるか一定の仮定を置いて試算しました」

復旧検討会議でJRが示した利用者数の試算。

沿線に住む住民が積極的に利用した場合でも村上市坂町駅から山形県小国駅の利用者は2040年に1日当たり219人にとどまると説明。

「単なる鉄道の課題にとどまらず、まちづくりなども含めた地域の公共交通の課題」と指摘。

「当社が運営することを前提とした復旧は難しい」

JR東日本 新潟支社 三島 大輔 企画総務部長
「鉄道の利用促進をしたとしても鉄道輸送の大量性が発揮できるとは考えにくい結果となりました。試算結果を踏まえますと、被災前と同じように当社が運営することを前提とした復旧は、民間企業としては持続可能性の観点から難しいと考えております」

4案を示し議論継続へ

JR東日本は今後の運営主体として4つの案を示し、議論を続けるとしています。

■JR運営(被災前同様)
■上下分離(沿線自治体が土地・鉄道施設をJRに貸与し運行)
■地域が運営する鉄道(第3セクター等)
■バスへの転換

質疑応答では

会議終了後の質疑応答で、JR東日本の三島部長は、「道路整備が進み自家用車利用が浸透した地域で、鉄道の安定的な運行を可能とするべくご利用を増やしていくことは鉄道事業者の努力だけでできることではなく、地域の公共交通の課題と捉える必要があると考えている」「バス転換という選択肢を取った場合、鉄道は存続させることはない」、また今回の試算結果を上回る利用促進の提案などがあれば試算結果は変わってくるとして「現時点でJR運営という選択肢を排除しているものではない」と述べました。

新潟県の太田勇二・交通政策局長は「鉄道自体は大量輸送という特性だけでなく、災害時の機能や地方創生など様々な側面を持っていると受け止めており、今後議論していく」などと述べ、山形県の部長は「一定の仮定に基づく試算なので条件によっては結果も十分変わってくるものだと考えている。利用拡大に取り組み、盛り上げていく必要がある」と述べ、新潟県・山形県はともに「JRの直営が望ましい」としています。


2024年5月29日「夕方ワイド新潟一番」放送などより

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