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【特集】"BRT"という呼称が新潟市から消える… バス交通の未来は? 《新潟》

2024年3月30日 19:11
【特集】"BRT"という呼称が新潟市から消える… バス交通の未来は? 《新潟》

新潟駅の新しいバスターミナルがいよいよ3月31日、日曜日に開業し、南北をバスが行き来できるようになります。

一方で、新潟市のバス交通のシンボルとなるはずだった「BRT」という呼び名はなくなることになりました。転換点を迎えたバス交通について考えます。

(取材:TeNYテレビ新潟 報道キャスター 大谷萌恵)

夜更けに行われた工事

夜更けの新潟市で行われたのは、バス停の工事です。

大谷キャスター
「持続可能なバス交通を目指して導入されたBRT。開業から8年半、今夜ひっそりとその看板がおろされました」

外されたのはバス高速輸送システムを意味するBRTの看板です。
新しい看板にかけ替えられ、「BRT」という文字が「BUS=バス」という文字に変わりました。
BRTという呼び名がこの街からなくなる―それはバス交通の転換点を意味していました。

輸送力や利便性を高めることを目指したBRT

2015年にJR新潟駅と青山駅間で開業したバスシステム・BRT。
連節バスの導入や、バス専用レーンの設置などにより、輸送力や利便性を高めることを目指していました。

「BRT」が街からなくなるー 新潟市長が発表

しかし、去年10月、新潟市の中原市長がBRTという呼称をやめると表明したのです。

新潟市・中原八一市長
「専用走行路がない要素のバスシステムがBRTと呼べるのかといった課題もあった。新潟市はBRTと呼ぶことをやめる。新たなマークは“BUS”ということで、利用者はもとより、来訪者にも分かりやすいものにした」

中原市長はBRTと呼ぶことをやめた理由として、専用道路の設置が難しいこと、BRTの意味が市民に正確に浸透しなかったことなどをあげています。

「思い描いたものにならなかった」市民団体の会長は

BRT開業から8年半ー。悔しさをにじませる人がいます。

古舘邦彦さん
「数人しか乗っていない。BRTを利用して、街の中に出てくるというかたちができていない」

古町でおよそ50年にわたり緑茶などの販売を手掛けてきた浅川園の前・社長 古舘邦彦さんです。市民団体の会長としてBRTの開業を推し進めました。

古館さんはかつてフランスのナントを視察。BRTや次世代の路面電車・LRTを活用し、人々が効率よく市街地と郊外を行き来する仕組みに感銘を受けたといいます。

古舘邦彦さん
「BRTとLRTを走らせれば、街にお客さんが来るだろうと。賑わいを取り戻せるだろうと思った。郊外に大型店ができるとどんどんそっちへ行ってしまう」

かつて多くの人で賑わった古町。
この10年程度で人々の目的地が郊外の大型ショッピングセンターに移っていると感じています。

浅川園は、大型ショッピングセンターにある店舗の売り上げが、古町本店の10倍になったこともあるといいます。その影響や店の老朽化などにより、古町本店は2年半前に店を閉じました。

古舘さんは公共交通の整備とともに、人を呼び込める目的地づくりも重要だと考えるようになったといいます。

古舘邦彦さん
「10年前はこんなに閑散とするとは思わなかった。人が歩いていない。悔しいです、思い描いたものにならなかったということが」

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BRT導入した当時の新潟市長「やってよかった」
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