路線バス減便へ 深刻化する運転士不足 バス交通の未来は 新潟市の公共交通 運転士の夢を追う若者も《新潟》

市民の生活だけでなく経済にも影響を与える路線バスですが、新潟市内の路線バスは3月末に減便されると発表されました。背景にあるのは深刻な運転士不足です。路線バスの維持に向けた取り組みを取材しました。
バスの運転士を目指す19歳の男性
この日、新潟市中央区の停留所に、バスを待つ男性の姿がありました。掲示される時刻表に思い入れがあるといいます。
新潟交通 伊藤千紘さん
「これを作っているのは実は私たち。実際にここに来て貼りました。ガムテープばかりで見栄えが悪いんですけど」
伊藤千紘さん19歳です。去年の3月に高校を卒業し、4月に新潟交通に入社。今は事務作業を行っています。
保育園の頃から乗り物が大好きだった伊藤さん。今年に入り挑戦していることがあります。
夢はバスの運転士
それは大型二種免許の取得。バスの運転士を目指しているのです。
新潟交通 伊藤千紘さん
「やっぱりバスですね。運転している姿が直接見えるので憧れを持ちました。電車と違って、運転士一人で運転したりアナウンスしたり、難しいことが求められる。そこがバスの運転士のすごさ」
新たなバスターミナル開業へ
いま新潟市の路線バスは転換期を迎えています。
JR新潟駅のリニューアルによって、3月末、新たなバスターミナルが開業。駅の南北がつながり利便性が高まると期待されています。
しかし、大きな課題も立ちはだかっています。
運転士不足で減便へ
新潟交通 古川公一常務
「喫緊の課題である運転士不足。在籍運転手の所定外労働でなんとか運行を継続している。(4月には)労働条件に規制がかかるため、さらなる要員の確保が必要に迫られている」
新潟交通は、先週の会見で「運転士不足が喫緊の課題」と強調しました。新年度には長時間労働の規制が強化される、いわゆる「2024年問題」に直面するため、さらに運転士不足が深刻化すると見込まれています。
このため新潟交通は3月末にダイヤを改正し、平日は134本、土曜と日曜・祝日はそれぞれ97本を減便すると発表。これは全体のおよそ5パーセントにあたります。