新潟県から災害派遣医療チーム「DMAT」が石川県の被災地へ 魚沼基幹病院チームが医療支援にあたる 《新潟》
石川県内では地震による死者の数が160人を超えました。道路が寸断され、必要な医療が提供できない事態も起きています。新潟県内から支援に向かった災害派遣医療チーム・DMATの活動を追いました。
石川県七尾市の総合病院です。
日が昇り始めた午前7時、続々と救急車両が集まりました。
病院内の会議室。全国各地から災害医療派遣チーム・DMATが集まりました。拠点となるこの病院から被災地に赴き、医療支援に当たります。
〈医療関係者〉
「先ほども言いましたように病院設置のミッション、病院のもともとの診療支援がある」
ミーティングを終え、病院や施設へ向かうための準備が進められていました。
そのさなかにもドクターヘリが到着し、患者が運ばれてきました。
命の砦である医療機関。しかし、被災地ではいま物資や人手が足りない状態が続いています。
DMATには新潟の病院も参加しています。準備を進めていたのは魚沼基幹病院のチームです。目的地に向って出発しますが、思うように進むことができません。
地図を開き、新たなルートを確認します。
〈DMAT 魚沼基幹病院 米山良英さん〉
「道路の状況が刻々と変化しておりますし通れてると思っていたルートが通行止めになったりしていましたので所要時間がどれぐらいかかるのか…」
通行止めにとどまらず各地で渋滞も発生。目的地の奥能登まで行くにはこの道しかありません。
大きく傷んだ道路を進み、七尾市から穴水町へ…
穴水町は震度6強の揺れに襲われ、8日午前9時現在、11人の死者が確認されています。
普段なら1時間ほどで着くところをこの日は約4時間かけて目的地の病院に到着しました。
こちらの病院では地震による負傷者を受け入れるため入院患者の退院を検討しているといいますが…
〈DMAT 新潟市民病院 吉田暁医師〉
「ただ問題は山積みで家がないから帰れない、(帰るための)足がないから帰れないという方がいる」
さらに…
〈DMAT 新潟市民病院 吉田暁医師〉
「診療で使う水がないので透析ができない、手術ができない、カテーテルができないということが起きています。固定電話がつながらないので救急隊の連絡がこない。(患者を)受ける、受けない。重傷だから受けないという判断ができないので基本的には受け入れる。でも治療が完遂できないので転院が必要になる」
治療に必要な物資も人手も足りず医療現場は深刻な状態にありました。
〈DMAT 魚沼基幹病院 林浩史医師〉
「病院としては機能してますけどスタッフは1月1日の発災からきょうまで5日間働きづめなので交代とか救急外来(を担う)。電気は来ているが水道は止まっているし床とかかなり破損しているので注意しながら自分たちもケガしないように活動していたいと思っています」
被災地の医療を支えるために…全国から派遣されたDMATがその最前線で活動しています。