非常に強い台風10号は、30日午前中に大分県内に最接近する見込みです。

また、29日から県内は大雨となるおそれもあり土砂災害に警戒が必要です。

非常に強い台風10号は午後6時の推定で奄美市の東北東にあって、ゆっくりとした速さで北北西に進んでいます。

中心の気圧は950ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートルです。

台風が今後、予報円の中心付近を進むと、県内は、29日午後に暴風域に入り、30日午前に、強い勢力を維持したまま最接近する見込みです。

27日午後、大分地方気象台などが開いた会見。

今回の台風は動きが遅いため県内で長時間、強風や大雨が続くおそれがあると呼びかけました。

◆大分地方気象台後藤貴士予報官
「今後も発達傾向で進んでくる予想となっている」

「大分県では29日から30日ごろにかけて、大雨となるおそれがあり土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に警戒を」

また気象台は、「風が吹き出してから屋外で対策をするのは非常に危険。対策はあすのうちに済ませておくことが必要」などと注意を呼びかけました。

県内で28日予想される最大瞬間風速は南部の海上で30メートル、28日の午後6時から予想される24時間雨量は多いところで南部で300ミリと予想されています。

台風の接近に伴い大分県内でも備えが進んでいます。

佐伯市の佐伯港では27日朝、地元の漁師が船が流されないようロープなどで固定する作業を行っていました。

◆漁師 高司慎一さん
「漁業と釣り船をやっているが、4,5日は休業かな。もうまっぽし（まともに）来ているから雨から風から大事かなり用心しておかないと」


一方、同じ佐伯市内にある社会福祉法人の農場です。

こちらでは杉の苗およそ2万本が秋に出荷を控えていて職員たちが苗を農業用ハウスの中に移動させていました。

◆社会福祉法人青山げんきファーム 吉田周治さん
「思ったよりも遅くて当初は東側を通るのがもう大分の真上を通るのでかなり怖い/時間があるのでいろいろ準備をしようと思っている」

交通にも影響が出ています。

JRでは28日、県内を走る特急や在来線の一部で運休が決まっているほか、29日は在来線の一部区間で始発から終日運転見合わせとなっています。

海の便でも28日以降複数の航路で欠航となっていて、空の便も欠航の可能性があるということです。

また、TOSの調べでは別府市や佐伯市など県内8つの市と町の公立の小中学校など110校以上が29日と30日の休校を決めています。