×

全校児童は22人 児童が発案 今年度末で閉校の清野小学校で夏祭り 大盛況それぞれの思い胸に 

2024年8月20日 21:11
全校児童は22人 児童が発案 今年度末で閉校の清野小学校で夏祭り 大盛況それぞれの思い胸に 

長野市松代町清野地区で今月14日、児童が発案した夏祭りが開かれました。全校児童は22人。今年度末で閉校する地元の清野小学校で最後の一年を追いかけます。

長野市南部に位置する長野市松代町清野地区。人口は1158人(=8月時点)、千曲川河川敷を中心に、ナガイモの栽培が盛んな地域です。お盆休みの8月14日。今年、地区の夏祭りを初めて小学校で行うことになりました。

10を超える出店に。体育館にはリング!?大盛況となった夏祭り。きっかけを作ったのは児童たちです。1886年=明治19年に開校した清野小学校。信濃の国を作詞した浅井冽が校歌を手掛けるなど、由緒ある学校です。多い時には200人以上の児童数でしたが、現在は全校で22人。

より多くの子どもと学んでほしいという保護者の要望で、去年、2キロ離れた松代小学校への統合が決まりました。138年続いた清野小は、来年3月をもって閉校します。

6年生
「閉校させようとした人に何でですかって聞きたいくらいの圧をかけたかった」

納得できなかった児童の心を前向きに変化させたあるものが校長室にあります。閉校が決まった去年、当時の6年生を中心に、最後の1年でやりたいことを書き出したホワイトボードです。

校長先生
「できるだけ子どもたちが自分たちで考えて自分たちでやったという思いを残したいなというふうに思っていて、一緒にそれを計画したり実現していくということを大切にしていきたい」

6年生(当時5年生)
「やりたいと思っていることを現実にできるというのでやったー!って」

6年生(当時5年生)
「うれしいけどちょっと寂しい感がある。終わりに近づいている感じは見えるかな。全部かなえてくれるのはやっぱり閉校だからなんだよなというのは思う」

児童たちの原動力でもあり、切なさも詰まったホワイトボード。その中に、夏休みの一大計画がありました。児童が希望した「地区の人と夏祭り」。地域の協力で、実現することになったのです。

言い出したのは、6年生の富田美羽さん。

富田美羽さん
「想像していた以上です。めっちゃワクワクしています」
「仲のいい友達とみんなで回りたいみたいなことが本当にできなくて、それで地域の人もいたら楽しいなと思ったので」

清野ではこれまで、地区にある3つの公民館がバラバラで祭りを行っていましたが、今年初めて3か所合同で開催することにしました。

地元住民は
「こんな大きなのは初めてだし、家族でこうやって出られるという機会ができたことはとてもいいですね」

地元住民(清野小出身)
「子どもがよその地域の子どもと遊んだりしているのは見ているとうれしいですね」

合同開催を実現した清野の公民館長は、学校と地域のつながりを考えるきっかけになったと言います。

実行委員長 池田さん
「(閉校を)真摯に受け止めている。それまで自分たちが(子どもに)行えなかったことがあるわけじゃないですか。それができなかったことに対しての責任感というのが多少なりともある」

手伝う児童「型抜きできまーす」

児童も育成会の出店で店番として参加。中抜けしてお目当てのキッチンカーへ。児童たちには、お小遣いを管理する勉強になればと育成会から手伝い賃として1000円分のチケットが渡されています。

富田美羽さん
「高い!残り3枚になっちゃった」

暗くなると、帰省した人たちなどで祭りは大盛況。体育館で行われた信州プロレスのリングで盛り上がりは最高潮に達しました。終了間際、大人(育成会)が校庭に花火を用意してくれました。

夏休みが終わるといよいよ2学期。記念式典もあり、いよいよ閉校が現実味を帯びてきます。

富田美羽さん
「閉校は悲しいけれど、閉校していっているんだけど、私たちがいたことは違いないので、そういうのはちゃんとみんなに思っていてほしい」

清野小の時計が、刻一刻と閉校に向けて進んでいきます。

    テレビ信州のニュース