来年3月末で廃止 宮崎刑務所の一部を公開
宮崎市糸原にある宮崎刑務所は、1976年から今の場所にあります。宮崎刑務所は、施設の老朽化や受刑者の減少などで来年度いっぱいで廃止され、2026年4月からは宮崎拘置支所へと組織改編されます。
拘置支所は刑が確定していない被告を収容する施設です。廃止まであと1年余り、14日は、宮崎刑務所の施設の一部が公開されました。
普段、入ることのない刑務所の内部。宮崎刑務所は、主に26歳以上の男性のうち、刑期が10年未満の再犯者や薬物乱用者、暴力団組員などの受刑者が収容され、いまは133人が収容されています。
(今栖那菜記者)
「こちらが受刑者が生活をするスペースとなっています。部屋の中には、テレビや布団、そしてトイレが備わっています」
こちらは共同部屋で、広さは12畳ほど。最大7人が一緒に生活します。
受刑者の食事は、ご飯にメインのおかず、それにサラダ。栄養バランスは考えられ、全員一律で決められた量が提供されます。また、トラブル防止のため、受刑者間での量の調節などは禁止されています。
工場は、受刑者が刑務作業を行う場所です。ここは、いまは閉鎖されていますが、宮崎刑務所では、洋裁工場や木材を使って、箱などの小物を製作する木工工場などがあります。
受刑者にとっては、出所後の社会復帰へ向けたトレーニングの機会でもあります。
このほかにも、受刑者が平日30分、体を動かす運動場に、受刑者が考えて植えた花壇・庭園などがあり、そこからは受刑者たちの生活が浮かび上がるようです。
(宮崎刑務所 福吉正幸所長)
「残り1年を見据えて、業務としても縮小しているところではありますが、受刑者の個々の問題、特性、そして何が社会復帰を阻害しているのかといった要因の分析、こういったところを1人1人丁寧に進めていって、誰一人取り残さない福祉的支援を含めて取り組んでまいりたい」
宮崎刑務所によりますと、収容人数が最も多かったのは2004年の631人で、収容率は定員を超え121%。
一方、2023年の収容人数は213人で、収容率は43%。このデータから見ても、受刑者が減少傾向にあるのが分かります。
現在は、来年の組織改編に伴い、宮崎刑務所の受刑者は徐々に別の刑務所に移送されているということです。