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全国品評会で金賞にも輝いたおいしさ 雪国では珍しく高畠町で1年通してトマト栽培

2024年3月14日 18:08
全国品評会で金賞にも輝いたおいしさ 雪国では珍しく高畠町で1年通してトマト栽培

山形県高畠町にある障がい者の自立支援施設では雪国では珍しく、1年を通してトマトを栽培し出荷しています。野菜の全国品評会で金賞にも輝いたそのおいしさを支えるのは独自の栽培方法と利用者たちの丁寧な仕事ぶりです。

高畠町にある自立支援センター「竹とんぼ」。障がいがある40人ほどが通っています。メインの仕事は敷地内にある「えがおに農園」でのトマトの栽培です。

利用者「トマトを作っているところが楽しいです。甘いです」

雪国では、1年を通してトマトを栽培するのは難しいとされてきました。

自立支援センター竹とんぼ須貝和夫さん「冬場は暖房なしではやっていけないので農家は敬遠しているようだった。そこをあえてやってみようと」

この農園では3棟あるハウスごとに苗を植える時期をずらし、また冬は灯油ヒーターでハウス内の温度を上げることで年間を通してトマトを収穫しています。
高額な冬の暖房代を補うためには高い品質のトマトを販売する必要があります。この施設では独自の栽培方法をとっています。

須貝さん「この培地がココヤシの木を細かくしたもの。水はけもよくて吸収力もある」

土を使わない栽培法でトマトが病気になりづらいといいます。また水や肥料は設定された時間ごとに自動で与えられる仕組みです。このほか、トマトのおいしさを支えているのが利用者たちの丁寧な仕事ぶり。トマトの売り上げは利用者たちに給料として支払われています。

利用者「脇芽取りです」
須貝さん「利用者の方はコツコツやっていただけるので助かります。愛情がたっぷりだと思う」

「竹とんぼ」で作られた「福笑トマト」はフルーツのような甘さとうまみが特徴です。2年前には農産加工品の品評会「野菜ソムリエサミット」で金賞を受賞しました。

評価員コメント「噛んだ瞬間うまみがガツンと飛び込んでくる」「野性的でワイルドかつ濃厚なうまみがありました」

ことしは暖冬によりハウスの暖房代が例年の半分程度で済んだといいます。

利用者「出来はいいです。かなり多くなっている。色つやがいい」

この「福笑トマト」は高畠町や米沢市などのスーパーで販売されています。

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