消費者は困惑・生産者は「価格が適正になった」 コメ価格平年より高値で推移 山形県内で聞く
山形県内をはじめ、全国で今、コメの価格が平年より高値で推移しています。スーパーでは倍近い価格で販売されていて、消費者は困惑する一方、生産者からは物価上昇分が反映され、適正になったとの声も上がります。
山形市内のスーパー「フードセンターたかき」南原店です。店内のコメを取り扱うコーナーには、新米が並んでいますが価格は去年の倍近くになっています。
フードセンターたかき南原店・大津保敬店長「コメの価格が高くなっている。以前は3200円くらいで売れていた10キロのお米も、今は6000円近く。5キロのお米も2300円ほどだったものが、3000円~3500円に価格が上がっている。売り上げ点数も落ちている」
このスーパーによりますと、高値の要因の一つにインバウンドの外国人によるコメ需要の高まりがあるといいます。
コメの高値を受けて、消費者はどんな対策をしているのでしょうか。
消費者「コメが少なかった時期は、お米足りなくて、コメを節約して、パスタやラーメンを食べていた」
消費者「あまり変わらずに買って食べてます。お米を食べないわけには行かないし」
また、コメを少量ずつ何回に分けて買うという声も聞かれました。このスーパーでは、コメの代わりに麺類の売り上げが伸びているといいます。
今後の見通しは?
フードセンターたかき南原店・大津保敬店長「今のところ(値段が)下がる、上がるという話は聞いていない。このまましばらく(高値)が続いていくのではないかと予想されている」
一方、生産者は、今のコメの高値をどう見ているのでしょうか。
酒田市のコメ農家・本多郁也さんです。農家は今、物価上昇に伴い生産コストの上昇に直面しているといいます。物価上昇を受け、ことし農協は新米の収穫前に生産者に前払いする概算金を全国的に引き上げました。
コメ農家・本多郁也さん「概算金が発表された時点で驚きが大きかった。去年までは、全ての物が値上がりしている中で、コメの値段だけが変わらない状況」
本多さんは、物価の上昇にコメの価格が追いついてきたと感じています。
「農家からすると、毎年耐えてきた中での値上げ。他の物に追いついてきた。ずっと続くといいなと思う」
燃料や肥料などの資材費が高騰している中、ことし7月の大雨が追い打ちをかけました。農家も苦しい中での高値だといいます。
「コメの今後についてよく聞かれるが、誰も予想できない。誰も先が分からない状況なので来年もおいしいお米作れるようにしっかり準備したい」
例年に比べて高値が続くコメ。今後の見通しは不透明です。