スマートフォンのアプリで信号検知し音声で伝える 視覚障がい者の日常生活を支援
視覚に障がいがある人の日常生活を支援するアプリなどを紹介する山形県内で初めての展示会が山形市で開かれました。
山形市で11日まで開催された「全国視覚障害者情報提供施設大会」です。大会には10の会社や団体が参加し、視覚障がい者に役立つ商品やサービスを展示、紹介しました。
「Eye Navi」という視覚障がい者の歩行を支援するアプリを紹介するブースです。このアプリは、街中など屋外を歩く際に、持ち主がスマートフォンのカメラを向けると歩行者や車止めなどの障害物の存在や信号機の色などを検知して、それらの情報を音声で教えてくれます。
小坂憲央アナウンサー「こちらでは点字ブロックを前に 目の不自由な方へ説明が行われています。どんなシステムなんでしょうか」
「コード化点字ブロック」と呼ばれるものです。危険箇所があることを示す黄色の「警告ブロック」に、黒い丸や三角のマークが付いています。これを専用のアプリで読み込むと・・・
アプリ「ここは尾山交差点です。前方は・・・」
このように現在地や周囲の建物などを音声で案内してくれます。
また、違う方向からブロックを読み取った場合でも持ち主の位置に合わせた適切な建物の位置を案内します。視覚障がい者で、コード化点字ブロックの普及活動を行う川口育子さんです。
川口さん「どっち向きなのか自分で考えなくても教えてくれることによって駅の方から来たとかそういうことを知れる」
実際に体験した全盲の男性は・・・
「方向転換してもどっちを向いているか音声ガイドを聞けばわかる状態なのでありがたい」
この点字ブロックは現在、石川や東京などごく一部の地域に設置されているのみです。川口さんたちは今後、ほかの地域への普及や、屋内施設に設置することを目指しています。
川口さん「ずっと点字ブロック上を歩いていると外にしかいられない。ちょっとでもお店の中で1人で買い物ができるそういうところを私は目指したい」
一方、こちらは、おもちゃメーカーのブース。紹介していたのは、「オセロ」です。黒の石の表面には溝があり、白と黒を触っただけで判別できます。石は回転式で色を変えることができます。
これは色ごとに同じ突起の付いた「ルービックキューブ」。
「視覚障がい者だけで遊べるということではなくてみんなと遊べるのがいい。どうしても視覚障がい者だけで遊べるものは特別な感じがするし、狭い感じなのでユニバーサルデザインのものがあると 広がりを感じる」
県内で初めて開催されたこの大会。会場を訪れた視覚障がい者やその関係者は説明に熱心に聞き入っていました。