「もう住めない」 山形の大雨で家屋被害766棟 7棟が全壊 り災証明書の発行始まる
25日からの記録的な大雨で、庄内や最上などで発生した家屋への被害は29日までに766棟に上り、7棟が全壊しています。被害規模は今後も増える見通しです。
酒田市は29までに災害ごみの仮置き場を市内4カ所に開設しました。このうち旧酒田工業高校跡地には朝、水に浸かった家具やソファ、家財道具などが次々と持ち込まれていました。災害ごみの仮置き場は酒田市のほか、新庄市や遊佐町、庄内町、戸沢村、鮭川村などにも開設されています。
また、酒田市は29日から、公的支援を受ける時に必要となる、り災証明書の発行手続きを始めました。申請は市内4カ所で受け付けていて、酒田市役所では午後1時の受け付け開始と同時に次々と市民が訪れ、写真を見せながら市の職員に被害の状況を説明していました。
宮海地区の男性「浸水は1階の肩の高さまで。もう住めない」
西荒瀬地区の夫婦「被害は家屋の水没。仮設住宅みたいに市で『ここならどうぞ』とあっせんしてくれたら助かるのだが」
午前11時までに判明した大雨の被害状況です。県のまとめによりますと、今回の大雨では酒田市大沢地区や戸沢村古口地区など4カ所の集落が一時孤立状態になりましたが、27日までに全て解消されました。一方、徒歩でしか行けなくなっている集落はいずれも鮭川村の荒沢地区と木の根坂地区、深沢地区の3か所で、合わせて40人ほどが本人の希望で自宅に残っているということです。住宅被害は全壊が鮭川村と舟形町、真室川町で合わせて7棟に上っています。半壊は尾花沢市で1棟。床上浸水は304棟、床下浸水は452棟となっていて、全ての住宅被害を合わせると766棟となっています。
交通の状況です。JR東日本は8月1日から山形駅と大石田駅の間で山形新幹線つばさの一部列車の運転を再開する見通しです。大石田駅と新庄駅の間では一部、線路脇ののり面が崩れていて、JRは復旧作業が完了する来月中旬までバスの代行輸送を行うことにしています。
また、国道47号は現在、道路が崩落するなど複数の箇所で全面通行止めが続き、庄内方面への通行ができなくなっています。国交省山形河川国道事務所によりますと応急復旧にはいずれの箇所も1週間から2週間程度かかる見込みだということです。