北海道と東北地方で唯一屋内スケート場がない山形県 試算整備費は42億円余り
山形県は26日、新たな屋内スケート場整備に向けた検討会議を開きました。会議では施設整備にかかる費用として、観客席を500席とした場合、整備費は42億円余りとの試算が示されました。
県内には、北海道と東北地方で唯一、スピードスケートなどの公式大会が開催できる屋内スケート場がなく、県はおととしから新たな屋内スケート場の整備に向けた検討を進めています。
県は26日、今年度最初の検討会議を開き、学識経験者やスポーツ団体の代表など8人の委員が出席しました。会議では、県側から施設整備や運営にかかる費用などの試算が示されました。
施設整備費では、観客席を500席とした場合、年間を通して利用できる通年型は「42億8400万円」、冬の間のみ利用する季節型だと「42億4100万円」と試算しました。通年型の場合、季節型に比べ断熱材の設置などで費用がかかるということです。また、年間の管理運営費は、通年型が9940万円、季節型が7860万円となっています。
年間の利用者数は、季節型が村山地域の都市部に整備された場合は5.2万人で、村山地域の郊外や他の地域の都市部の場合は3.9万人と試算しました。イベント開催や一般の人たちの利用料などを合わせた年間収入は、村山地域の都市部だと3630万円、郊外では3130万円、他の地域の都市部の場合は2640万円と見込んでいます。
試算を受け、委員からは「イベントでの収益を考えると都市部の駅周辺などのアクセスしやすい場所に設置するのが望ましい」といった意見が出されました。県は今年度中には屋内スケート場を整備するかどうかや整備する場合は設置場所の方向性などについて決定する方針です。
屋内スケート場を巡っては、酒田市が県に対し、庄内空港周辺への整備などを要望しています。