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50回目のテーマは「祈りのかたち」 山形市で世界各国から集められた民芸品の展示会

2025年3月5日 18:19
50回目のテーマは「祈りのかたち」 山形市で世界各国から集められた民芸品の展示会

山形市で5日から、「祈り」をテーマにした展示会が始まりました。会場に並んでいるのは、世界各国から集められた絵画や燭台などの普段なかなか見ることができない民芸品です。見どころを取材しました。

山形市の山形市民会館で始まった展示会は、市や県民芸協会などが開いたもので、50回目を迎えることしのテーマは、「祈りのかたち」です。
会場には、世界各地で制作された100点以上の民芸品が並んでいます。
宮城県や岩手県の一部地域で家の中に飾られていた「釜男」という民芸品です。

中川悠アナウンサー「どうして釜男を台所に置く習慣があったのですか?」

日本民芸協会 常任理事白鳥幸昌さん「火の神様。昔の人は火事を一番恐れていた」

「釜神様」とも呼ばれている100年以上前に作られたこの民芸品。実は、目がアワビの殻でできているんです。夜になるとギラリと光って、子どもたちから怖がられていたといいます。
会場の中央に並んだろうそくを立てる燭台。世界のさまざまな国で作られたもので、形もデザインもそれぞれが個性的です。

日本民芸協会 常任理事白鳥幸昌さん「仏教もヒンドゥー教もキリスト教もろうそくを灯している。お祈りする形は同じ」

この絵は江戸時代の初期から滋賀県で描かれるようになった「大津絵」と呼ばれているもので、一つ一つに無病長寿や、水難除けなどの意味があり、お守りの役割を果たしていたそうです。

日本民芸協会 常任理事 白鳥幸昌さん「お伊勢参りに行った時、お伊勢さまの札とこの絵を買って、家で貼っていた」

中川アナ「面白さのある、くすっと笑えるような絵です」

同じくお守りのような役割を果たすというのが「イコン」と呼ばれる絵です。
キリストや聖母など世界各地で様々な絵が描かれ、絵馬やお守りの様に家に飾ったり、旅に出るときに持っていたそうです。

中川アナ「イコンにはどんな特徴がありますか」

日本民芸協会 常任理事白鳥幸昌さん「これはガラス絵だけど、羊皮、木に描かれたもの、紙に描いたものなど、作っているのが名もなき農民や職人。一番身近にある素材を使うのが自然」

世界の人たちの暮らしの中から作りだされた民芸品から込められた思いを感じてほしいといいます。

日本民芸協会 常任理事 白鳥幸昌さん「家族の平和や健康など祈ることは共通。民芸は宗教や人種関係なく、美しいものは美しいと言えるもの。そういった目線で物を見てもらいたい」

この展示会は山形市の山形市民会館で3月9日まで開かれています。

最終更新日:2025年3月5日 19:43
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