郵便局の2階から侵入か 白鷹町の強盗事件発生から1週間 依然男の行方つかめず
白鷹町の簡易郵便局に刃物を持った男が押し入り、現金100万円を奪った強盗事件の発生から19日で1週間が経ちます。犯人の行方は依然として分かっておらず、現場近くの住民からは不安の声が上がっています。
この事件は12日午後2時45分ごろ、白鷹町中山の「白鷹簡易郵便局」に男が押し入り、70代の女性職員に包丁のような刃物を見せて「金を入れろ」などと脅し現金100万円を奪って逃走したものです。
警察の調べによりますと、郵便局内では当時、窓口がある1階の事務室で女性職員が1人で業務に当たっていました。従業員が休憩スペースとして使う隣の和室から物音がしたため様子を見に行ったところ、刃物を持った男がいたということです。
男は40代以上とみられ、マスクを付けていました。薄茶色の野球帽、青色系で襟付きの半袖シャツと灰色系のズボンを着用し、黒い運動靴を履いて軍手を着けていたということです。
警察は連日検問を行い、目撃情報などを集めているほか、郵便局の防犯カメラや事件前後に現場付近を走行した車両のドライブレコーダーなどの解析を進めて男の行方を追っていますが、1週間が経ったいまも逮捕には至っていません。
近くの住民「この辺りは山があるのでそこから出てこられたら怖いなと思ったりもしている」
親族が現場近くに住む男性「早く捕まってもらえれば何よりなのだが…」
事件があった白鷹簡易郵便局は白鷹町役場から北東に6キロ余り離れた住宅がまばらな山間の集落にあります。白鷹町十王の国道348号から北に入った場所に位置し、建物の前の道路は白鷹町の中心部方面と山形市の「県民の森」方面につながっています。
犯人の男は犯行後、白鷹町の中心部方面に走って逃げたことがわかっていますが、その後の足取りは明らかになっていません。近くの住民によりますと、普段は日中も車通りは多くないということです。
捜査関係者によりますと、これまでの調べで、建物の2階・南西側にある窓の錠の付近が外側から割られているのが見つかっています。
建物は一部2階建てで、犯人は1階平屋部分の屋根に上り、2階の窓を割って鍵を開け、侵入した可能性があるとみられています。
関係者によりますと、2階はかつて職員の住居スペースとして利用されていましたが、ここ数年は使われていなかったということです。
犯人の行方が依然としてわかっていないことを受け、町の教育委員会は事件以降、小学校の児童を送迎するスクールバスの本数を臨時で増やしているほか、中学校でも複数での登下校を続けています。
県内の金融機関を狙った強盗事件は12年前の2012年4月、村山市の大高根郵便局に刃物を持った男が押し入り、現金190万円を強奪した事件以来の発生です。この事件は犯人を特定できず、発生から10年が経ったおととし(2022年)、時効が成立しています。