1日で大雨特別警報が2度発表 山形県内の川は氾濫 住宅も特産の刈屋梨も飲み込む
庄内と最上地方を中心に降り続いた記録的な大雨。山形県内で2年ぶりに出された大雨特別警報は25日夜、大雨警報に切り替わったものの、25日深夜に再び発表される事態となりました。
庄内や最上に線状降水帯が発生し、各地で非常に激しい雨に見舞われた、25日の県内ー。この雨は夕方にかけて一旦落ち着きました。
山形地方気象台有賀孝幸台長「発表している大雨特別警報は警報に切り替える見込み。午前中に降っていた雨はいったん抜けつつある、もう抜けている状況」
大雨のピークは過ぎたとして、気象庁は25日午後8時すぎ、酒田市と遊佐町に出していた大雨特別警報を「大雨警報」へと切り替えました。しかし、その2時間後ー。
豪雨「やばい…やばいやばい…流れが強い…」
午後10時ごろ、新庄市の女性が避難所に向かう際に撮影した映像です。道路には川のような濁流が流れています。
10時50分ごろには、庄内や最上、村山に再び線状降水帯が発生しました。
山形地方気象台有賀孝幸台長「山形県の市町村に大雨特別警報を出しました」
午後11時40分、気象庁は県内に2回目となる大雨特別警報を酒田市・庄内町、新庄市・舟形町、鮭川村、戸沢村に発表しました。
1日に2回、大雨特別警報が出されるのは全国でも初めてとみられるということです。
気象台「警報の基準を下回っていて、それ以降再び基準に達することはないだろうという見立てをして解除した。当然、危険なところは危険ですと言わなければいけないので酒田に再度発表した」
大雨特別警報は午前6時前まで続き、県内は再び猛烈な雨に見舞われました。
この雨で孤立した集落も。酒田市の八幡地区ではー。
陸上自衛隊員「きょうの任務としては460世帯の人たちを別の地区の小学校に移動させる。下手したら途中で一泊」
午前4時半から陸上自衛隊が入り、孤立した住民の救助活動に当たりました。
一方、鶴岡市でもー。
眞田一輝記者「京田川が氾濫し住宅地に川の水が押し寄せた鶴岡市三和です。取り残された住民を乗せたゴムボートが戻ってきました」
現場近くに住む男性「ワイパーが利かないくらいのどしゃぶり。京田川が氾濫したのは初めて」
佐藤嘉一記者「酒田市刈屋地区です。特産の刈屋梨の収穫まであと1か月という所に迫ってナシ畑とは思えない光景が広がっています」
「この辺は棚が壊れて根こそぎ持っていかれた。ここら辺にも木があって実になっていた」
酒田市の刈屋地区では25日、地区を流れる荒瀬川が氾濫しました。
こちらの畑では酒田市刈屋地区の特産・刈屋梨が育てられていましたが、畑のおよそ4割が泥水に浸かりました。
「棚はこれだ、ここにごみが引っ掛かっているということは水が180センチを越えた。上を通ったんじゃ」
水が引いた場所には、80センチほどの泥が積もっていました。また、根元から折れた果樹も-。
刈屋梨農家「棚が流されたり、つぶされたり…想像したよりすごい被害。ことしは順調に生育してきたのでこれからどうやっていけばいいのかと驚いている」
一方、同じ酒田市の八幡地区にあるこちらの商店ではー。
「40~50センチぐらいは水が来たと思う。ここまで来た。これが水流で押されて店内になだれ込んだ」
床に広がる泥をモップで外に掻き出す作業が行われていました。
最上地方では戸沢村の広範囲で依然、冠水しています。警察や消防などは住民の救助に当たるとともに、被害の把握に向け活動しています。