トリマーと高校卒業の資格を同時に取得できる東北地方で唯一の学校 卒業間近の生徒に聞く
「動物の美容師」と言われるトリマーを育てる学校が山形市にあります。東北地方では唯一、トリマーと高校卒業の資格を同時に取得できるコースがある学校です。卒業を間近に控えた生徒にこれまでの学校生活や今後の目標を聞いてきました。
小坂憲央アナウンサー「午前中の授業がすでに始まっています。こちらでは台の上に大きなイヌがいますね。2人がかりでバリカンを使った作業。一方、こちらはシャンプーですね」
シャンプーされて気持ちよさようなイヌ。毛を整えて、爪を切って、耳の中まできれいにします。
ここは山形市の「山形愛犬美容学院」。2020年に開校したトリマー養成校です。普段ペットとして飼われているイヌを預かり、生徒が実技の学習として手入れを行います。
遠藤さん「つらくない?大丈夫?」(イヌをなでる)
遠藤瀬七さん(18)。山形市内の中学校を卒業してすぐにこの学校に入学しました。
遠藤瀬七さん「トリマーになって、イヌの保護ボランティア活動がしたくて。早いうちに夢の実現に近づくと思ったので入学した」
入学して間もないころにはこんな経験も…。
遠藤瀬七さん「イヌにかまれて。最初のうちにちゃんとコミュニケーションを取っていなかったことが原因だと思う。焦っているとイヌにも焦りが伝わるので、自分の気持ちのコントロールやイヌの気持ちを読み取ることが大事」
トリマーを目指して3年間、技術の習得に励んできました。卒業式を1週間後に控え、13日が最後の授業です。
講師の助言「ちょっとたくましい脚になっちゃっているね。後ろ側とここのブレンディングをするともうちょっとほっそりとした自然な脚になるよね。ここ気を付けて切ってみましょう」
トリマーを育成する学校は、高校卒業後に入学する専門学校がほとんどということです。一方、山形愛犬美容学院には、中学校を卒業した生徒が入学できるコースがあり、県内外から7人が通っています。このコースでは週1回、提携する通信制高校の学習プログラムに取り組めるため、トリマーの資格と高校卒業の資格を同時に取得することができます。
運営会社WAN to ONE渡辺大輔事務局長「山形県内のペットのショップやサロンで働き手が不足しているのを聞いたのと、若い人が県内にとどまってほしいという思いもあり、この学校を立ち上げた」
独自のプログラムによって遠藤さんはトリマーの資格と高校卒業の資格をダブルで取得しました。
遠藤瀬七さん「高卒の資格を取っていると社会に出てからの可能性が広がる。トリマーと高卒資格のどっちも取れることに惹かれた」
この学校に通う社会人らとともに腕を磨いてきた遠藤さん。4月から仙台市の店舗に就職し、トリマーとして働きます。
遠藤瀬七さん「強気で、信頼されるトリマーになれるようまずは頑張っていきたい」
山形愛犬美容学院では、これまでに7人の生徒が中学卒業後に入れるコースで学び、卒業後は県内の店舗を中心に活躍しています。