山形県山辺町にある温泉施設の駐車場で、たこ焼き店を経営していた女性が、土地の明け渡しなどを町職員から強要されたとして町に対し賠償を求めた裁判で、山形地裁は「強要は認められず、賠償責任はない」などとし、原告の訴えを棄却しました。

この裁判は山辺町の山辺温泉保養センターの駐車場でたこ焼き店を経営していた元店主の女性が2020年3月、町の職員から店舗の解体と土地の明け渡しを求める合意書への署名を強要されたとして、町に対し慰謝料などおよそ450万円の支払いを求めていたものです。
これまでの弁論では、町の職員が女性に署名を強要した事実はあったかどうか、そして、損害の額が争点となっていました。
判決理由で山形地裁の本多幸嗣裁判官は「町職員から強要する発言があったとは、原告も述べておらず、猶予期間を設けるなど大幅な譲歩を含んだ合意書に応じるかどうか、検討する時間が十分あった」とした上で、「強要されたと認めることはできず、町が賠償する責任はない」として女性の訴えを棄却しました。