収穫時に向けしっかりと高温対策を 東根市でサクランボ剪定作業の検討会
東根市の若手農家らが23日、サクランボの品質向上を目指し剪定作業の検討会を開きました。去年夏の猛暑など気候変動に対応するため生産者の模索が続けられています。
検討会には東根市内の若手農家でつくる市果樹研究連合会のメンバーおよそ50人が参加しました。豊作祈願を行った後、参加者は武田海さんの園地に移動し、年明けから始まった剪定作業について説明を受けました。
武田海さん「去年なった実を思い出しながら剪定に入るのがいい」
武田さんは剪定作業が日当たりなどサクランボの品質に大きな影響を与える工程だとして花芽の状態をよく見て作業にあたることなどを説明しました。
一方、気候変動の影響で県内でもここ数年、サクランボの生育に影響が出ています。おととし(2023年)は置賜地方などで収穫直前に霜による被害が発生。また、夏の猛暑で品質に影響が出る高温被害も多く発生しました。去年はおととしの猛暑の影響を受け実が2つくっついた「双子果」が多く発生しました。さらに、高温によって実が熟して柔らかくなる被害も確認され、去年の収穫量は8700トンほどと平成以降2番目に少ない凶作となりました。東根市の生産者も猛暑対策に頭を悩ませたといいます。
参加した人「去年は双子果が多くあった。高温障害で収穫が追いつかなかった部分は過熟状態になり、収穫できない果実も多くあった」
東根市果樹研究連合会 岡崎広良会長「あそこまでの障害果が出てしまうのはあの年だけにしてほしいが気温が変動しているのでそれに対応するのも私たちの技術」
高温対策として県などは、ハウスに遮光シートを張ることなどを呼びかけています。会では、気候に左右されずに品質のよいサクランボを安定して収穫ができるよう対策などを模索していきたいとしていますが、生産者からは「対策をしても効果には限界があり難しい」 といった声も聞かれました。