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24年ぶり「羽黒山鐘楼」で屋根の葺き替え工事 国の重要文化財で行う貴重な作業公開 山形・鶴岡市

2023年10月9日 19:37
24年ぶり「羽黒山鐘楼」で屋根の葺き替え工事 国の重要文化財で行う貴重な作業公開 山形・鶴岡市

 鶴岡市にある国の重要文化財「羽黒山鐘楼」でいま、屋根の葺き替え工事が行われています。この週末には作業が公開され、参加者たちは、24年ぶりとなる貴重な作業の様子を間近で見学しました。

 標高414メートル、鶴岡市の羽黒山。
湯殿山、月山とともに出羽三山の1つとして知られています。山頂には羽黒山神社の神殿があります。この神殿の隣にあるのが「羽黒山鐘楼」です。
ことし5月から屋根の葺き替え工事が行われていて現在、工事用の足場で周囲を囲われています。
高さ11メートルほどの羽黒山鐘楼はいまから400年以上前に再建された木造建築です。江戸初期の建築様式を伝える優れた建築物として2000年に国の重要文化財に指定されました。鐘楼の中に釣り下がっている重さおよそ10トンの梵鐘も国の重要文化財に指定されています。屋根の葺き替えは20年に一度を目安に行われていて、今回は1999年以来、24年ぶりに工事が進められています。
 7日、貴重な葺き替え工事の様子が一般の見学希望者に公開されました。

市村工務店社寺部 荒井 正俊課長
「着工前の状況は20年以上経っているので雪で茅が引っ張られて抜けてきていて軒辺がだんだんと長く伸びていた。長くなることで雪がいっぱい乗ることによって破風板と呼ばれる部分が割れてしまっていた」

 屋根は雪の重みで歪んでしまい一部、破損し、表面部分の茅も雨や雪の水分で腐った状態でした。
今回の工事は屋根を覆う茅を解体してから骨組みの補修や補強を行い、腐ってしまった茅、およそ60立方メートル分を滋賀県の琵琶湖周辺に生息する葦に葺き替えています。見学会には20人が参加し、階段で屋根と同じ高さまで上ります。
 屋根の軒先の部分に当たる地上6メートル付近まで上るとおよそ160平方メートルの完成間近の屋根が目の前に現れました。
新たに葺き替えられた屋根からは畳を交換したときのような、香ばしい草の香りが広がります。

「葦の耐久性は20年から40年くらい」

参加者たちは普段見ることができない距離で屋根や葦に触れながら見学していました。

参加者
「葦は細いですね。触る機会ってほとんどないから」
「触ってみて感触は?バリバリ。思ったよりもずっと重厚だなと立派にできているのが分かりました」

 工事は来月中旬まで続けられ、新しい屋根が付けられた鐘楼は足場が解体される来月下旬にもお披露目される見込みです。

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