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年間約100人死亡…服に火が燃え移る「着衣着火」素材で変わる燃え方、火がついたらどうすればいい? バーベキューに花火や墓参り…夏こそ注意

2024年8月16日 18:42
年間約100人死亡…服に火が燃え移る「着衣着火」素材で変わる燃え方、火がついたらどうすればいい? バーベキューに花火や墓参り…夏こそ注意

 着ている衣服に火が燃え移る「着衣着火」。毎年100人前後が亡くなっていて、夏こそ一層注意が必要です。

 お盆シーズン。お墓参りをしたり、バーベキューや花火など、何かと火を使うシーズン。そこで気を付けたいのが、着ている服に火が燃え移る「着衣着火」です。

 兵庫県警によると、先週、兵庫県尼崎市の80代の女性が仏壇の線香をたこうと、ろうそくに火をつけたところ「着衣着火」が起き、顔などをやけどする重傷を負いました。

 総務省消防庁の統計では、火災で亡くなった人のうち約1割、年間100人程度が着衣着火で死亡しています。

 牧野天稀 記者
「着衣着火は服の素材によって、燃え方が変わります」

 綿100%のTシャツに火をつけてみると…

 牧野記者
「1分半が経過しました。原型をとどめていません」

 一気に燃え上がる服。2分ほどで焼け落ちてしまいました。
 さらに、石油が原料のポリエステルのTシャツは、布が溶けて落ちていきます。これが皮膚に付着すると、大やけどする危険もあります。

 素材によって燃え方は大きく違いますが、それぞれに危険性があり、注意しなければなりません。

 また、バーベキューで気を付けたいのが、ジェル状の着火剤。火の付きが悪いからといって、火をつけた後でジェル状の着火剤を追加すると、成分のアルコールによって炎が大きく上がります。

 明るい屋外では炎が見えづらく、気づかないうちに服に引火する危険性もあるため、着火剤は途中で追加せず正しい方法で使わなければいけません。

 着衣着火は裾が広がった形のスカートなどを避けたり、燃えにくい素材で作られた防炎製品を使用したりすることで防ぐこともできますが、火がついてしまった場合はどうすればいいのでしょうか?

 水をかけることが最も有効ですが、近くに水がない場合は…

 神戸市消防局予防課 吉田大輝さん
「『ストップ、ドロップ&ロール』です」

 風を受けて燃え広がらないよう、走らずに「ストップ」。
 そして、床に寝転がる「ドロップ」。
 さらに、転がることで床との接する面積を増やし、酸素を遮断して全身を消火する「ロール」。この際、粘膜などを守るために手で顔を覆うことも重要です。

 神戸市消防局予防課 長田奈帆さん
「高齢者は消火に時間がかかることもあって、特に重傷化しやすくなっています。家族皆さんで気を付けていただくことで、着衣着火を防ぐようにしてください」

 楽しい夏休み。火の取り扱いには十分注意しましょう。

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