【速報】1メートル超の「浸水想定区域」認定こども園計画 見直し求めた住民の“請願書”市議会で採択 奈良・宇陀市

奈良県宇陀市が2026年春に開設する予定の「認定こども園」をめぐり、近隣住民らが計画の見直しを求めた請願書の採決が、21日、宇陀市議会の本会議で行われ、賛成多数で採択されました。
宇陀市によりますと、この認定こども園は、市内に今ある3つの幼稚園と保育園を統合し、近鉄榛原駅南側にある約6800平方メートルの敷地に鉄骨2階建てで建設される計画で、2026年春に開設される予定です。
一方で、市のハザードマップでは大雨の際の「浸水想定区域」にあたり、9時間に380ミリの雨が降った場合、園の周辺一帯では、50センチから3メートルの浸水が想定され、建設予定地の川沿いでは1メートル65センチ程度の浸水が想定されています。
子どもを預ける保護者からは「増水したら避難できるのか」など不安の声が上がる中、市の担当者は「建設予定地については過去に越水したという記録は残っていない」などとして安全性を訴えます。さらに、ハード面の安全対策として、建物の基礎や園庭を1メートルかさ上げし、さらに1メートルの壁を作ることで、浸水のリスクを減らした上で、開園までに避難計画を作るとしています。
一方で近隣住民らは、建設計画の安全性に懸念があるなどとして、市議会に請願書を提出。10日の委員会での採決では「不採択」となりましたが、改めて21日の宇陀市議会の本会議で採決が行われ、賛成多数で「採択」されることになりました。
市の担当部局によりますと、この請願書に法的な拘束力はないということですが、今後、工事の中止や建設地の変更が行われる可能性もあるということです。