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【ナゼ?】京都の旅館がピンチ!修学旅行を受け入れれば受け入れるほど経営が悪化!?営業継続には補助が必要…旅館側は苦悩「伝統は残していきたい」

2024年7月16日 17:00
【ナゼ?】京都の旅館がピンチ!修学旅行を受け入れれば受け入れるほど経営が悪化!?営業継続には補助が必要…旅館側は苦悩「伝統は残していきたい」
修学旅行で、京都の旅館がピンチに!?

 修学旅行先として人気の京都。修学旅行生の人数は、2023年・2022年はコロナ禍前と同じ数に戻っています。しかし、今、その修学旅行生を受け入れれば受け入れるほど京都の旅館が“ピンチ”に…。いったいナゼなんでしょうか?

 京都市にある「旅館 こうろ」は年の半分は修学旅行生が宿泊していて、年間約80校を受け入れているということです。番組が取材したときも修学旅行生で貸し切りでした。しかし、「旅館こうろ」の北原茂樹会長は「利益率が半分になっている」といいます。

 北原会長によると、京都市の修学旅行生を受け入れる旅館47軒の、一人当たりの平均宿泊料は2023年度の場合1泊2食付きで9223円だといいます。営業継続には約2000円の補助が必要だとのことです。

 2024年4月、全国約1万5000軒の宿泊施設が加盟している「全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会」は森山文部科学大臣に「修学旅行を受け入れれば受け入れるほど経営が悪化してしまうケースが生じている」として補助を要望しました。

 なぜ受け入れると経営が圧迫してしまうのでしょうか?「日本修学旅行協会」によると、修学旅行は多くの客室や交通機関の確保が必要なため、学校側は旅行会社を通じて1~2年前に契約をするということですが、旅館側としては近年の物価高で人件費・光熱費・食材の仕入れ代などが値上がりしていて、契約時と価格が合わないということがあります。

 また、「旅館 こうろ」では外国人従業員が円安で母国に送金が難しくなってしまったため、2023年から給与を月額3万円アップするなど待遇面を改善したということです。さらに、収支不足を補てんするために、一般客の素泊まり1泊の料金を1万円から1万2000円に値上げしたということです。

 北原会長は、「修学旅行は基本的に貸し切りだが、少子化の影響で一校当たりの人数が減っている。貸し切りができないと言うと他の旅館に行ってしまう」と話しています。

 また、北原会長は「友達と寝食を共にする修学旅行は、重要な社会性を持つ。将来を見据えて伝統は残していきたい」とも語っています。

(「情報ライブミヤネ屋」2024年7月5日放送)

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