【ナゼ?】“賢い”タコの繁殖は動物虐待?アメリカで養殖禁止の動きが加速「他の動物がアホということですか?」 日本では養殖実用化に向け研究進めるも、研究者を悩ます『共食い』と『脱走』
日本の消費量は1世帯当たり年間427gと、食卓には欠かせない食材『タコ』。世界的に需要が増加し、値段も高騰しています。日本ではタコの養殖実用化を目指し研究を進めていますが、一方、アメリカではタコの養殖禁止の動きが加速しているそうです。一体、ナゼ?
■海外でタコの需要増加し日本は買い負け 養殖研究進めるも“困難”多く…
実は今、日本ではタコの価格が高騰しています。豊洲市場の卸売会社によると、海外でもタコを食べるようになり、ヨーロッパ・特にスペインでの需要が高く、日本が買い負けしている状況です。さらに、日本国内では加工・流通資材費なども高騰しているということです。タコの養殖研究をしている水産技術研究所・伊藤篤さんは、「日本の食文化を守っていくために養殖技術の確立が必要」だと話しています。
一方で、養殖研究は進めているものの、タコの養殖は1日に4回、食べきれないほどのエサを与えないと共食いしてしまい、さらに吸盤を使って水槽から脱走してしまうなど困難が多く、簡単に養殖できないという問題もあるということです。
■アメリカ全土で“賢い”タコの養殖禁止へ?「鶏や豚や牛、他の動物がアホということ?」の声も…
2024年3月、米・ワシントン州ではタコの養殖が禁止され、9月には米・カリフォルニア州でもタコの養殖が禁止されました。影響力のあるカリフォルニア州でこの法案が成立したため、アメリカ全土で禁止する法案が検討されているといいます。
法案を提出したスティーブ・ベネット議員は、「タコは記憶力が良く、人を見分けることができる。元々群れる習性のないタコを捕らえて、繁殖させようとするのは不適切だし、動物虐待」と訴えています。
これに対し、大阪のたこ焼き店・浅井明美さんは、「タコだけではなく、他の生き物、鶏や豚や牛は?賢かったら養殖がダメというのは、他の動物がアホということなんですか?」と疑問の声を上げています。
“養殖反対派”マイアミ大学のジェニファー・ジャクエット教授は、「豚や牛・鶏など、大量生産される動物にも知性はある。しかし、これらの家畜には、すでに巨大な産業システムがある。ただ、タコの養殖は、世界的な産業になる前に介入できるチャンスがある」と話しています。
日本の食卓や飲食店にも大きく影響を及ぼすかもしれない、タコ養殖禁止の動き。今後、どうなっていくのでしょうか―。
(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年10月4日放送)