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現役警察官が一般人と殴り合い宣言!? ボクシング東日本新人王決勝戦記者会見

2022年10月6日 19:26
現役警察官が一般人と殴り合い宣言!? ボクシング東日本新人王決勝戦記者会見
記者会見でお互いに敬礼してみせた、星野凌選手(左)と現役警察官の二葉恒輝選手(右)
◇第79回ボクシング東日本新人王決勝戦記者会見(6日、都内)

現役の警察官と一般人が殴り合い?

一般社会だったら傷害罪に公務執行妨害も加わって一発逮捕になりそうな大事件ですが、これが合法的に許される場所があるのです。

それが、ボクシングのリング上。

11月3日、79回目を迎える「ボクシング東日本新人王決勝戦」が東京・後楽園ホールで行われます。10月6日には、出場する12階級24選手が一堂に会しての記者会見が行われました。

会見で次々と出場選手が抱負を口にする中、最もメディアのシャッター音が響いたのはスーパーバンタム級で対戦するふたり、星野凌選手(JB SPORTS)と二葉恒輝選手(松本ACE)が登壇した時でした。フェイスオフ(向かい合ってのにらみ合い)を司会者に促されると、二葉選手の方を向いた星野選手の右拳が一瞬、ピクリ! 殴り合いか!? と場内が凍り付いた次の瞬間、星野選手はフェイント気味に振り上げた右拳を指先までピンと伸ばし、なんと敬礼!すると、二葉選手も口元を緩めて敬礼で返すという、前代未聞の「ふたりの敬礼」によるフェイスオフが実現したのでした。

実は二葉選手は現役の警察官。長野県の松本警察署自動車警ら班に所属し、日々市民の安全を守っています。公務員のため、ボクシングによるファイトマネーは全額寄付している、文字通りの「慈善ファイター」。時には職務質問で一般市民の暴言を浴びることもあるといいますが「事故を減らし、市民のみなさんの安全を守るため、という信念がブレたことはありませんので、カッとするようなことはありませんよ」という心優しき“おまわりさん”です。決勝戦の対戦相手、星野選手の敬礼ポーズにも「殴られるっ、と思ったら敬礼でしたね。敬礼されたら敬礼で返すのはマナーですから」と笑顔。言われなければボクサーとは到底思えない、どこまでも優しい、笑顔の絶えないおまわりさんなのでした。

一方、対戦する星野選手はといえば、こちらも超のつくナイスガイ。フェイスオフでの敬礼は「敬意を表しました」と笑い、「これまで警察のお世話になったことはありません。いや、子供のころにちょっと迷惑かけたことはあったかも…」と冗談を交えながら、会見を盛り上げました。

そんな心優しきおまわりさんと、ナイスガイも、リングに上がれば話は別です。「相手は打ち合いが得意そうなので、自分も負けずに打ち合って倒したい」と警察官からボクサーの顔に切り替わって二葉選手が言えば「リングの上ではどんなに殴っても合法ですからね。ここまでKO率が低いので、決勝は倒したい」と星野選手。前代未聞、警察官と一般人が2022年度の東日本新人王の名誉をかけて真っ向から殴り合うスーパーバンタム級決勝は、観客側が脇見禁止、スマホをいじるヒマもない、スリリングな好勝負が繰り広げられそうです。

◇第79回ボクシング東日本新人王決勝戦◇
CS放送日テレジータス 11月3日(木祝) ごご2時~8時まで完全生中継