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史上初“ちょんまげ大関”へ……大の里どんな人? かつては銀メダリストと対戦 故郷・石川への思い【#みんなのギモン】

2024年9月24日 10:02
史上初“ちょんまげ大関”へ……大の里どんな人? かつては銀メダリストと対戦 故郷・石川への思い【#みんなのギモン】
大相撲秋場所で、今年の夏場所以来となる2度目の優勝を果たした関脇・大の里(24)。史上最速の大関昇進も確実にしていますが、どんな力士なのでしょうか? 地震に加えて豪雨災害にも見舞われた石川県の出身で、故郷への思いを強くしています。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「“ちょんまげ大関”へ 大の里どんな人?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。


●史上最速 大関昇進へ
●出身地石川への思い

■会見で喜び「立ち向かっていく気持ち」

富田徹・日本テレビ解説委員
「大相撲秋場所で、関脇・大の里(24)が2場所ぶり2度目の優勝を果たしました。また、史上最速の大関昇進も確実にしています。秋場所を13勝2敗で終え、23日午前に行われた会見では喜びをかみしめている様子でした。大関昇進への思いも語っています」

大の里
「朝起きてたくさん連絡が来ている瞬間が一番実感がわきましたね。この経験を何度も何度も味わえるように頑張りたいと思いましたね」

「番付は上がっていってますけど、気持ちはまだまだ、立ち向かっていく気持ちで。その気持ちが全てだと思うので、今まで通り気の持ちようは変わらずに頑張ってやりたいと思いますね」

鈴江奈々アナウンサー
「もの凄い勢いで番付を駆け上がっていって、その勢いが、コメントと取組から感じますよね」

斎藤佑樹キャスター
「『まだまだ』と言っていましたけど、大関は本当にすごいことです。おめでとうございます」

■初土俵は去年の夏場所…スピード出世

富田解説委員
「初々しい感じも残っていますよね。改めて、大の里とはどんな力士なのでしょうか。石川県出身で、大学時代には2年連続で全日本相撲選手権のアマチュア横綱に輝きました」

「初土俵は去年の夏場所で、デビューからわずか4場所で入幕。今年の夏場所では史上最速で優勝しました」

「そして今回の秋場所で2回目の優勝を果たし、これまた史上最速の大関昇進を確実にしました。日本相撲協会の正式決定は25日に出ますが、そこで決まれば史上初めての“ちょんまげ大関”が誕生すると言われています」

河出奈都美アナウンサー
「ちょんまげというのは、どういうことですか?」

富田解説委員
「大の里は、出世に髪の毛が伸びるのが追いつきません。十両以上の力士が結うことができる大銀杏を結えないまま優勝、そして大関昇進へと突き進んでしまったということです」

■好きなアーティストは「湘南乃風」

山崎誠アナウンサー
「今回(の秋場所で)、これまで一度も勝てていなかった(大関の)豊昇龍にも勝ったということで、これからのさらなる成長を楽しみにしている方も多いでしょうね」

富田解説委員
「これからファンが増えていきそうです。人柄やプロフィールを見ていきます。日本相撲協会のプロフィールによると、好きなアーティストは湘南乃風、好きな食べ物は魚(何でも)。趣味は、部屋の周りを散歩することだそうです」

■わんぱく相撲で現メダリストと対戦

富田解説委員
「子ども時代のエピソードがあります。2012年、小学6年生の時には、わんぱく相撲の全国大会である人と対戦しました」

斎藤キャスター
「アスリートで、大谷翔平選手とか…?」

富田解説委員
「パリオリンピックの柔道銀メダリストの村尾三四郎選手(24)です。映像も残っています。当時は大の里が上手投げで敗れました。あれから12年、一方は銀メダリスト、もう一方は最速の大関ということで感慨深いですよね」

■村尾選手からも祝福のコメントが

富田解説委員
「河出さんは村尾選手を取材していましたが、かつて相撲も強かったなどのエピソードは聞いていましたか?」

河出アナウンサー
「相撲やラグビーなど柔道以外にもやっていたとは聞いています。少年時代の恩師が当時の村尾選手を見て、『彼は柔道を選んでも相撲を選んでも、どちらに行っても一流になっていたと思う』と話していました」

「それだけ村尾選手もとても才能があったということでしょうね」

富田解説委員
「その村尾選手は『秋場所優勝おめでとうございます。わんぱく相撲で対戦した当時から身体が大きく、前に出る圧力がすごかったと記憶しています』とのコメントを寄せています。今でも相撲はチェックし、競技は違うものの刺激をもらっているとも話していました」

鈴江アナウンサー
「やっぱり、違う競技から刺激をもらいますか?」

斎藤キャスター
「もらいますし、今の関係性はめちゃくちゃ素敵ですね」

■度重なる災害で傷ついた地元への思い

富田解説委員
「続いては、出身地・石川への思いについて。石川県津幡町出身の大の里。度重なる災害で傷ついた地元への思いを強くしていました。大の里の優勝が決まった21日の土曜日、能登地方を中心に猛烈な雨が降り、川の氾濫や土砂崩れなどの被害が相次ぎました」

「地元の様子をニュースで知った大の里は『土曜日に被害があって、絶対土曜日に優勝を決めたいと思っていましたし、僕の話題で(石川県を)勇気づけたい、元気づけたいという気持ちがあって。土曜日に優勝を決められて良かったと思います』と語りました」

斎藤キャスター
「『優勝を決めたい』と言って本当に決めてしまうところがすごいですよね」

■能登半島地震の被災地で避難所を訪問

富田解説委員
「石川県では今年1月に地震がありました。大の里は翌2月には他の石川県出身の力士とともに、被災地の避難所を訪問していました。それを見て喜びの涙を見せた人もいたといいます」

■秋場所優勝にも地元から喜びの声

富田解説委員
「そして今回の優勝にも、地元からは喜びの声が上がっています」

「21日、津幡町では『本当に感動でした。ありがとうございます。やっぱり素晴らしい津幡の星です』『(津幡町の)ヒーローだと思います』、金沢駅では『横綱まであと少し。頑張ってください!』という声が聞かれました」

■「日本中から愛される力士に」

富田解説委員
「大の里は常々、『日本中から愛される力士になりたい』と話していますが、まさにそんな感じになってきていますよね」

鈴江アナウンサー
「まず大関昇進は確実としていて、その条件は既にクリアしているんですよね?」

富田解説委員
「直近の3場所で33勝というのが1つの目安になります。これは既に20日にクリアしています」

鈴江アナウンサー
「被災された石川県珠洲市の方に話をうかがいましたが、『なんでまた…。気持ちの落ち込みが大きい』とおっしゃっていました。そういった方たちの背中を押すような取組に、これからも期待したいなと改めて感じます」

富田解説委員
「大の里は10月の金沢への巡業も決まっているということです。そこでも大いに盛り上げてほしいと思います」

(2024年9月23日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】

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