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金銀メダル獲得の小林陵侑 強さの秘密は“膝の動き修正”と“試技飛ばない” 竹内択さん「マネできない」

2022年2月13日 21:07
金銀メダル獲得の小林陵侑 強さの秘密は“膝の動き修正”と“試技飛ばない” 竹内択さん「マネできない」
男子ラージヒルで銀メダルを獲得した小林陵侑選手 (写真:ロイター/アフロ、12日)
北京五輪スキージャンプ男子ノーマルヒルで金メダル、ラージヒルで銀メダルを獲得した小林陵侑選手。2月12日放送の「Going!Sports&News」では、その強さの秘密に迫りました。

■直前のフォーム修正

秘密を探るため、直撃したのは、スキージャンプ日本代表の宮平秀治ヘッドコーチ(HC)。ノーマルヒルの予選前日に小林選手へ、“フォームの修正”を提案していたと言います。

「(修正前は)バーベルを持って、(スクワットで)おろす時の体の使い方。膝を前に出しながら動いている感じだった。そうなると力が全部抜けてしまう。(ジャンプの時)ちゃんと踏めない。本来は、(膝が)動かないで踏み切れていた」

膝を前へ動かさずに踏み切ることで、下半身の力が伝わり大ジャンプへつながりますが、膝が前に動くと力が十分伝わらず、飛距離は伸びません。

実は数年前、W敗で結果が出せなかった頃の小林選手は「膝が動く癖」があり、所属先の葛西紀明監督(ソチ五輪男子ラージヒル銀メダル)の下で、その癖を矯正する練習を積んできました。

ノーマルヒル予選直前の宮平HCのアドバイスに、小林選手も「そういうことか」と納得し、すぐに膝の動きを修正。

するとノーマルヒルの決勝前日、ヒルサイズ越えの106.5mと本番直前で理想のジャンプを取り戻したのです。

宮平HCも「表情見て大丈夫な感じと思った」と話します。

■“試技を飛ばない”選択は小林選手にしかできない

そして迎えたノーマルヒルの決勝当日。直前の試技を出場50人中ただ一人小林選手だけ飛びませんでした。この選択について、五輪に3度出場経験のある竹内択さんは、「なかなかできることじゃない。本番直前まで『自分の感覚が合っているのか?』と、確かめたくなりますが今の自分の感覚を信じているのが(小林)陵侑のスタイル。それが確立できたのはレジェンド葛西さんのチームで、葛西さんを参考にしていたからできる」と説明します。

小林選手の監督を務める葛西さんも直前の試技を飛ばず、“本番のジャンプに全てのエネルギーを注ぎ込む形”をとっており、それを参考にしているのです。

■踏み切りから空中姿勢への流れ

さらに、“踏み切りから空中姿勢への流れ”にも強さの秘密が隠れていました。海外の選手は踏み切りで高く飛び上がるため、着地するまでが早くなると言います。一方で、小林選手はスピードに乗った状態で、少し低く飛び出します。さらに風に乗る技術も高いので、ラージヒルではより距離が伸びると竹内さんは分析し、「どのジャンプ台でも飛べてしまうので、なかなかこのジャンプはマネできない」と話しました。

男子ラージヒルでは、銀メダルとなりましたが、尊敬する葛西さん以来となる快挙を成し遂げた小林選手。3つめのメダル獲得を目指し、14日の男子団体に臨みます。

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