【箱根駅伝】城西1区ヴィクターに國學院は5区平林!?原監督も「マジっすか!?」と驚き トークバトルで監督らが舌戦
毎年恒例となっている箱根駅伝トークバトルが10日に開催され、各大学の監督らが舌戦を繰り広げました。
登壇したのは前回大会1位から5位までの監督ら。青山学院大学・原晋監督、駒澤大学・藤田敦史監督、城西大学・櫛部静二監督、東洋大学・酒井俊幸監督、國學院大學・前田康弘監督が集結しました。
コーディネーターは、関東学生陸上競技連盟副会長で、前回の箱根駅伝をもって神奈川大学の監督を勇退した大後栄治さんが務めました。
各監督が挨拶をする場面では、青山学院大学の原監督が「(隣が)大八木さんじゃないので、僕は気が楽でしょうがない」と笑いを誘うと、三冠を狙う國學院大學の前田監督は「緊張しています。右側からすごく圧を感じます」と本音をポツリ。
コーディネーターの大後さんは、「すべての監督よりも年上になりましたので、鋭い質問をしていきたい」と、ノリノリの様子でした。
冒頭、トークバトルのお題は『ズバリ!今大会の目標順位は?』。
このテーマに沿って、まさにトーク“バトル”が繰り広げられました。
◆連覇を狙う青山学院大学
“あいたいね大作戦”を発令し、攻めのレースで総合優勝を目指します。
原監督は、「前半から攻めのレースをして主力級を並べていきたい」と話し、恒例となった作戦名に言及。
「大手町、多くの仲間と“あいたい”。ファンのみなさんと喜びに満ちあふれ“あいたい”。ラブというキーワードもございまして、“あい”するみなさま、“あい”する箱根駅伝に“あいたい”」と、少し恥ずかしそうにコメントし、「大手町で2年連続8度目の優勝目指して、みなさんとおあいしたいと思います。名付けまして、“あいたいね大作戦!”」と、会場を盛り上げました。
区間エントリーについて、2区は、エースの黒田朝日選手では?と名前が挙がると、「“戸塚の坂に朝日が昇る”の名言もあるんですけど、やっぱり箱根の山に朝日を昇らせたいのが本音」としながらも「やっぱり2区ですよ、それは」と話します。
前回6区を走った野村昭夢選手には「57分台を狙わせます」と自信たっぷりに話し、「16人登録されて、故障なく元気にやってくれている。自分のところがきちんと感染症なくスタートラインに立てれば、おのずと先頭に立てるという自信はせんえつながらあります」と語りました。
◆“3強超え”を狙う城西大学
「総合4位、できれば3強超え」を目標に設定し、先手必勝のレースをしたいという城西大学。
「できれば1区ヴィクター(キムタイ)で。結構強いです」と本当か冗談かわからないトーンで話し、会場は混乱。
前回は、2区が斎藤将也選手、3区がヴィクター キムタイ選手という布陣でした。
5区で区間新記録をマークした“山の妖精”こと山本唯翔選手が卒業した点にも言及し、「山の妖精が羽ばたいていったので、誰かが5区にいかないとダメ。斎藤かヴィクターか…」とまた、ヴィクター選手の名前を出し、会場を沸かせました。
実は、斎藤選手もアップダウンを得意としており、“仮想箱根5区”とした山道のコースを走る大会(激坂最速王決定戦)で、当時1年生ながら山本選手に先着した経験もあります。
キャプテンの平林樹選手については、「主要区間は、いってもらいたいなという願いがあります」とコメント。
さらに同好会出身で、前回の箱根駅伝6区出走の久保出雄太選手について、「チームの雰囲気作り、もり立て役。走りも非常にいいので活躍を楽しみにしている」と話しました。
◆2年ぶり王座奪還へ 駒澤大学
就任2年目の藤田監督は総合優勝を目標に掲げ、「前回、三冠を目指して箱根駅伝を迎えましたが、青山さんに力負けしたところがあった」と振り返り、「挑戦者として今回、思い切ったレースをしたい」と話します。
出雲駅伝、全日本大学駅伝を欠場した3年生の佐藤圭汰選手については「練習は開始しているので、十分間に合うくらいには戻っている」とコメント。
「往路は原さんのところが強いだろうというところで、いかに往路をしのげるかになってくると思う。もしかしたらヴィクターが1区であれば、佐藤圭汰1区っていうのもあるかも…」と、笑いを誘いました。
すると、隣に座っていた原監督は、「僕もそう思ってるんですよ」と話し、「故障上がりの選手は、単独で走るよりは、10キロぐらいまでついて、10キロから勝負に出る。あるいは六郷橋から勝負に出る。ポテンシャルはものすごく高いものがありますから、十分、後続を30秒くらい離せる実力がある」とした上で、「朝はビル陰に隠れて、気温も上がらないので、練習量少なくて、ポテンシャルの高い子は1区…走りますよ」と藤田監督に語りかけました。
◆20年連続シード権のかかる東洋大学
酒井監督は、「前回大会以上というのをスローガンに掲げていますので、最低4位。“1秒をけずりだせ”というチームスピリッツがあるので、チームスピリッツを体現できる走りをしたい」と話し、虎視眈々と上位を狙います。
「前回、彼ら2人(2区梅崎蓮選手、3区小林亮太選手)が往路の流れをつくった。特に梅崎はロードのエース。ハーフマラソンの距離であれば、ほとんどブレーキすることはない」とキャプテンの活躍に期待を寄せました。
さらに、4年生の石田洸介選手については、「2年前2区を走っているが、梅崎が前回大会走っているので2区以外で考えたい。久しぶりの箱根になるので、彼には自信を持って起用できるところに起用したい」と話しました。
「いぶし銀のような選手が多く、侮れない」と大後さんも注目の東洋大学。
1年生が4人エントリーしており、酒井監督は「飾りでなく起用を考えていますので、山もありえますね」と、1年生の起用の可能性についてもコメントしました。
◆史上6校目の“三冠”へ 國學院大學
箱根駅伝初優勝をねらう國學院大學の前田監督は「目標は優勝。粘りからの攻めということで、先手必勝という言葉が出ている通り、往路はどうなるかわかりません。みなさんエース級を並べますから。私どもはそこをしっかり粘り、後半勝負に持って行きたい」と話し、「5区平林で攻撃します!」とコメント。
すると、会場からは「え~!」と驚きの声が。原監督も「マジっすか!?」と戸惑いを隠せません。
そうなると、気になるのは2区。
大後さんが、「2区は誰なんでしょうかね?」とたずねると、前田監督は「2区は平林かもしれないです。2人ほしいですね」とニヤリ。
駒澤大学時代、前田監督の“先輩”でもあった藤田監督が「私でしたら2区に使います。マラソンで世界を目指す選手ですので、箱根のエース区間=2区をしっかり走って、世界にマラソンで羽ばたいてほしい」と話すと、「参考にします」と前田監督。
“復路勝負”だと明かし、「近年は往路勝ってそのままという形が定番。それを覆したいというのが大八木イズムとしてはありますね」と、“復路の駒澤”と呼ばれ、黄金時代を築いた2000年代にも言及し、「その再現性も含めて、粘りからの攻め」と、戦略を語りました。