公益財団法人野球殿堂博物館は16日、2025年の野球殿堂入りを発表。イチロー氏の当選に王貞治氏が祝福しました。

第1回WBCで王監督、イチロー選手として共闘。イチロー氏の今回の殿堂入りに際し、王氏は「イチロー君の成績に関しては、あえて言うまでもなく、みなさんの心の中に染みついていると思います。あえて言うと、イチロー君の場合は(殿堂入りを)5年も待たなくてもよかったのではないかと(笑)。たしかに規則は規則なんでしょうけど」と話し、会場に笑いを届けました。

1995年からダイエーホークス(現・ソフトバンク)の監督に就任した王氏はオリックスのイチロー氏と対戦した際の印象を語り、「その時、イチロー君はバリバリのオリックスのスーパースターでした。とにかく私もバッターですから色々バッターとして見たりしても、とにかくボールとバットの芯を結ぶ本当天才だと思います。これは人間ワザではないと私はすごく思いました。やはり野球というのは芯と芯がちゃんと当たらない限り良い打球が出ないわけですから。それをどういう体勢に崩されても、その結ぶということが他のバッターと比べて本当にちがうんですね。私は相手のチームでしたからもう大変痛い思いに何度も何度もあいました」とイチロー氏の打撃技術を絶賛しました。

2001年からは海を渡りメジャーへ挑戦したイチロー氏。「イチロー君がアメリカに行って、特に行った年に首位打者を取って、それと242安打を打って1年目で最優秀選手という、これは本当素晴らしい。アメリカのなかなか日本の人とか海外の人を認めない国が1年目のイチロー君のその活躍に、最優秀選手という賞を与えたっていうのは日本に対してそういうイメージをアメリカが持ってんじゃないかと思ったんですけど、ほんとそれを見事に覆されました。その後も262安打っていう世界記録作って彼の存在はすばらしい」とメジャーでの活躍についても絶賛しました。

続けて「日本の野球ってのはすごいんだっていうイメージをアメリカの選手たちに与えてくれて、このイチロー君がアメリカでそういう活躍してくれたことが今の日米の野球のレベルがだいぶ近づいて、まだまだ差はあると思いますけど、ここまで近づいたのはやっぱりイチロー君の功績が大きかったと思います」とコメントしました。

また引退後も高校野球の発展に尽力していることに言及。「今高校生の野球もやっているという野球に対する情熱もまた素晴らしいですよね。ぜひ日本の将来の子どもたちのためにですね、今まで通り頑張っていただいて、やっぱり野球っていいんだって思いを、みんなとともに共有して歩んでいって欲しいなってそのように思います」とこれからの人生に期待を寄せました。