移籍から98日で初勝利の巨人・鈴木康平 「最低の最高を求めろ」の言葉を胸にマウンドに上がる日々
移籍後、初勝利を挙げたのは巨人の鈴木康平投手です。3番手として8回のマウンドに上がり、ヒット、暴投、四球を出したものの、きっちりゼロで抑えてベンチに戻りました。
「1点もやれない状況なので、気合で乗りきりました」と試合後にマウンドでの心境を振り返った鈴木投手。丸佳浩選手とブリンソン選手の連続ホームラン、そして吉川尚輝選手のダメ押しタイムリーで、点差が4点に開いたところで、「もしかしたら、移籍後初勝利が待っているかもしれない」という思いが脳裏をよぎったといいます。
しかし、実際に勝利を手にして、報道陣の前に姿を見せたときには冷静そのもの。「チームが勝てばそれでいいと思っているので。そのために自分が腕を振って抑えるのが仕事だと思っている。これから連戦ですが、仕事を全うできればいいなと思います」と語りました。
これで巨人に移籍して98日で、29試合に登板したことになる鈴木投手。オリックスにいた頃にもらったチャンスをものにできなかった自分をここまで使ってくれることに感謝していると語りました。
「競っている場面で投げさせてもらって良い経験になっている。最近ふがいないピッチング多いんですけど、ゼロで抑えてればOKという気持ちで切り替えてやるしかないんで、残りしっかりやりたいです」
■鈴木康平投手が胸に刻んだ“ある言葉”
そんな鈴木投手がいまマウンドでモットーとして胸に刻んでいる言葉があります。
「最低の最高を求めろ」
オリックスの2軍でくすぶっていた時にあるキャッチャーに言われた言葉。誰のことかは明言しませんでしたが、マウンド上で完璧な投球を求めていた自分に“ストン”と入り込んできた言葉だったといいます。
「本当に昔から(持っている)ものはいいと言われていたが、フォアボールを出して自滅するというのが自分の中であって」
追い込んだら三振が欲しい、狙ったところにズドンといい球を投げたい、という理想を求めすぎて、空回りしてしまっていた自分を「先頭(打者に)四球を出しても次の打者を抑えれば良い」という気持ちにさせてくれた言葉。
この言葉を胸に、鈴木投手は「巨人のために」腕を振り続けます。