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「今まで何やっていたんだろう」池江璃花子 日本選手権4冠のウラにスタートの改善

2023年4月11日 6:04
「今まで何やっていたんだろう」池江璃花子 日本選手権4冠のウラにスタートの改善
池江璃花子選手(写真:アフロスポーツ)
競泳池江璃花子選手が4月4~9日に行われた日本選手権で4冠を達成。そのウラにあった“スタートの改善”に迫りました。

池江選手は3月、富山での合宿で練習を公開。そこで取り組んでいたのはスタートの練習でした。

プールに飛び込むと、浮き上がるまでの距離をチェックしている様子。

この練習の狙いについて池江選手は「入水角度と入水するときの姿勢。自分は、まわりの選手より体重がない分、(水中に)浅く入ってすぐに上がってきてしまう。角度をあえてつけるように深く潜ってドルフィンキックをすることで、深いところからの推進力をうまく得られる。下に行ってから、下の水を蹴る感覚の方が、個人的には速い」と語ります。

体重が軽く、飛び込んだあとすぐに浮き上がってしまいスピードに乗れない池江選手。そこで、水中深くに潜りドルフィンキックをすることで、前半からスピードに乗ることを狙っているといいます。

この取り組みによる変化に「今まで何やっていたんだろうというくらい、スタートがうまくいくようになりました」と改善を実感していました。

そして迎えた日本選手権。

初日の100mバタフライでは57秒68で優勝。派遣標準記録(57秒92)も突破し、世界選手権代表に内定しました。

さらに7日の100m自由形は自身が日本記録を持つ種目。50mのターンでは4位と後れをとりますが、後半に巻き返し、54秒17で優勝しました。

8日の50mバタフライでも25秒59で大会3連覇を達成。派遣標準記録(25秒73)も突破しました。

そして大会最終日の50m自由形。改善したスタートで勢いに乗ると、25m付近でトップに立ちます。後半はさらにギアを上げ、復帰後ベストタイムの24秒74で優勝。派遣標準記録にあと0秒04に迫る好タイムで、大会4冠を飾りました。

池江選手は「初日、100mバタフライでは、自信のない中、始まったが、私が優勝したことで、他の選手たちも『他の種目も池江は速いんじゃないか』と予想していたと思う。その通り100m自由形で勝ちきり、50mバタフライでも代表内定を取ることができて、トータル的にみたらこの6日間はいいレースだった」と大会全体を振り返りました。

世界で戦う上で、課題となる部分については「まずはスタートの部分を改善していくことと、前半から積極的にいくレースをして海外の選手たちの波にのまれないようなトレーニングも積んでいきたい」とスタートのさらなる進化について語りました。