【陸上】丸亀ハーフで駒澤・篠原倖太朗が日本人学生記録を更新 中央学院・吉田礼志も日本歴代9位の好走
◇第75回香川丸亀国際ハーフマラソン
国内屈指の高速レースが繰り広げられる香川丸亀国際ハーフマラソンが5日、3年ぶりに開催され、大学生たちも大健闘を見せました。
学生トップ争いを繰り広げたのは、今年の箱根駅伝を制した駒澤大学の3区で区間2位の走りを見せた篠原倖太朗選手と、予選会で敗退し本大会出場を逃した中央学院大の吉田礼志選手でした。
10㎞の通過タイムが28分4秒~5秒というハイペースに、先頭集団が6人に絞られると、早稲田大学OBで社会人の太田智樹選手(トヨタ自動車)と共に2人の学生も食らいつきます。
篠原選手と吉田選手は共に千葉県出身の2年生。今年の箱根駅伝で明暗を分けた2人は、日本人学生最高記録(1時間0分40秒)どころか、日本記録をも上回るハイペースを刻みました。
13㎞を過ぎてアレクサンダー・ムティソ選手(NDソフトアスリートクラブ・ケニア)ら外国人選手にはじわりじわりと離されたものの、15㎞の通過タイムも日本記録ペースを21秒も上回っていました。
ゆるやかな上り基調になるラスト5㎞はさすがにペースダウン。そして、日本人トップ集団の4位争いも決着します。
18㎞を前に吉田選手が脱落すると、篠原選手も太田選手に後れをとりました。
それでも最後まで粘った篠原選手は、太田選手には3秒及ばなかったものの、日本歴代4位の1時間0分11秒をマークして5位。昨年2月に先輩の山野力選手が打ち立てた日本人学生最高記録を29秒も更新しました。
篠原選手は「学生記録を狙っていたので、今回出すことができたことはシンプルにうれしいです。順位は日本人2位ということで、ここまで来たら一番を獲りたかった。最後は詰めの甘さが出てしまいました」と、新記録樹立を喜びつつも、次への課題をも見出していました。
また、「駒澤には学生記録を持っていた山野さん、学生最速の田澤(廉)さん、1万m27分台の鈴木芽吹さんもいるので、自分は全然強くはない。学内に自分よりも強い人、目標となる人がいるのは刺激を受けますし、もっと強くなりたいなって思います」強い先輩の背中を追って力を付けた篠原選手は、新シーズンは鈴木選手と共にチームのエースとしての活躍が期待されます。
6位に入った吉田選手も日本歴代9位の1時間0分31秒の好タイムで、従来の日本人学生最高記録を上回りました。
レース後、吉田選手は、「いつもレースで後半に失速するのが課題で、今回も失速してしまった」と反省を口にしましたが、箱根駅伝に出場できなかった悔しさを晴らす見事な走りを見せました。
「中央学院大学は箱根駅伝予選会で落ちて、出場権を逃してしまい、みんな悔しい思いをしてきました。その悔しい思いを持って、昨年12月の日体大競技会では(10000mで)27分台で走って、その勢いのままこのレースに出場し、今回のタイムにつながったのかなと思います」
10000mで今年度日本人学生トップの27分58秒60の記録を持つ吉田選手は、ハーフマラソンでも結果を残しました。
箱根駅伝の第100回大会で母校が本大会に返り咲くため、エースの力走がチームを活気付けます。
また、チームメイトの安藤武留選手(2年)も1時間2分17秒(32位)と好走しました。