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テニス錦織圭「引退が脳裏をよぎった」 ケガを乗り越え5度目の五輪出場 2大会ぶりのメダル獲得へ

2024年7月27日 12:02
テニス錦織圭「引退が脳裏をよぎった」 ケガを乗り越え5度目の五輪出場 2大会ぶりのメダル獲得へ
テニスの錦織圭選手(写真:ロイター/アフロ)
パリオリンピックで男子テニスシングルスに出場予定の錦織圭選手。

現在34歳の錦織選手がパリ大会に出場すればオリンピックは2008年の北京からロンドン、リオデジャネイロ、東京につづいて通算5度目。2016年のリオデジャネイロでは北京のシングルス金メダリストであるラファエル・ナダル選手(スペイン)との3位決定戦を制し、日本男子として96年ぶりの銅メダルを獲得しています。

一方で、2021年の東京オリンピックでは「何もできず終わってしまった」と準々決勝を振り返った錦織選手。当時世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)に2-6、0-6とストレートで敗退。自国開催で期待を一身に背負うも、2大会連続のメダル獲得はなりませんでした。

その後2021年10月の大会を最後に、ケガのため長い期間ツアーを離れていた錦織選手。かつて4位にまで上り詰めた世界ランキングも失いました。

それでも2023年6月、下部ツアーのカリビアン・オープン(プエルトリコ・パルマスデルマール)に出場すると、1年8か月ぶりの復帰戦ながら見事に優勝。さらには7月に出場したATPツアーのアトランタ・オープンでもベスト8まで勝ち進みます。しかし、

「引退のことが脳裏をよぎった」―――。

当時、男子テニスのATPツアー公式サイトのインタビュー取材に復帰までの心境を語った錦織選手。「8、9か月間のリハビリを経て復帰に近づいたとき、足首を捻挫してしまった。あと少しのところで再びケガをしてしまったことが精神的にショッキングだった。当時が最もつらかった。以前のように動けるかどうかがとても心配だった。ラケットにボールを当てる感覚や自信も失ってしまい、ゼロからのスタートだったことが、精神的にタフなチャレンジだった」と、苦悩を明かしていました。

アトランタ・オープンでベスト8まで勝ち上がり完全復活かと思われましたが、この大会の前に痛めていた左膝が悪化し、再びツアーから8か月ほど離脱することに。

錦織選手は前出のインタビューで「優秀な若手選手たちと対戦してみたい。その思いがあと数年プレーしたいというモチベーションにつながっている」とも現役にこだわる理由を語っていました。

パリオリンピックと同じ会場、ローランギャロスで開催された今年5月の全仏オープンでは四大大会での3シーズンぶりの勝利をあげている錦織選手。

度重なるケガを乗り越えてきた錦織選手の5度目のオリンピック、リオデジャネイロ以来となるメダルへの挑戦が始まります。