「すごい試練来たな・・・」巨人・坂本勇人が振り返る2024年 9月22日の阪神戦は「一生忘れられない」 翌23日には・・・
■試合後には悔しさにじませ「申し訳ない」
坂本選手が一番印象に残る試合としてあげたのは9月22日の甲子園での阪神戦。
阪神の才木浩人投手を打ち崩せず、2回ノーアウト1、2塁でフォークをすくい上げるも浅いセンターフライ、4回1アウト1、3塁の場面ではまっすぐをセカンドフライ、そして、6回1アウト満塁の場面でもセカンドフライと、3回のチャンスでことごとく打てず、阿部慎之助監督はここで交代を決断しました。
0-1で敗れた試合後、うつむいたままバスに向かった坂本選手は「申し訳ないです」と一言。自分の情けなさを痛感していたといいます。
■「すごい試練来たな・・・」「ここで打たないと引退しないといけないのかな」
その翌日の試合も坂本選手の脳裏には焼き付いている1試合。
9月23日の阪神戦でサードで先発したのは岡本和真選手でした。再び投手戦となり、先発のグリフィン投手やあとを継いだケラー投手が奮闘。対する阪神も高橋遥人投手が素晴らしいピッチングを見せ、6回まで2安打と巨人も高橋投手を打ち崩せていませんでした。
チャンスが訪れたのは7回。この回先頭の吉川尚輝選手がセンター前ヒットで塁に出ると、岡本和真選手もレフト前にボールを運び、連打でノーアウト1、3塁となりました。続くバッターは大城卓三選手でしたが、高橋投手に対しては2三振。阿部監督は代打を送ります。
「すごい試練来たな・・・」
背番号「6」が打席へ。カウント2-2と追い込まれ、前日の試合のように凡退なるかと思われた5球目、149キロの外角へのまっすぐをライト前にはじき返しました。
「本当に野球の神様が僕に試練を与えてくれるなと。ここで打たないと引退しないといけないのかなと、本当にそれぐらい追い込んだ中で立った打席でした」
こう後に語った坂本選手。試合後には報道陣に囲まれると、幾分かスッキリした表情を見せました。
「きのうの試合は一生忘れられないと思う。きのうのああいうのは、野球人生の中でも、あそこまで苦しいのは経験したことなかったし、また、ああいう場面で回してくれた...こういう場面で回ってきたなと感謝の気持ちを持ちながらというか、何とかしないといけないという一心でしたね」
打てなかった試合の翌日に代打で決勝点をあげるというまさに「ヒーロー」の活躍。試合後のヒーローインタビューでは「優勝します」と宣言していました。