【高校サッカー山形全力応援】10大会ぶりの全国へ「東海大山形」を応援したい5つのこと
1.10大会ぶりに掴んだ2枚目の全国の切符
東海大山形高校は、山形の母なる川・最上川に注ぐ支流のひとつ、須川河畔に立ち、東にスキー場、温泉地としても有名な蔵王連峰を臨みます。
1970年創部の東海大山形サッカー部。選手権では、これまでに7回、山形県大会決勝の舞台まで駒を進めましたが、全国の切符を手にしたのはわずかに1回。県決勝という厚い壁に何度も阻まれてきました。
チームの中心となる3年生は、1年生のころから期待の代と言われながら、今年の県総体ではベスト8。
なかなか結果を出せずに悔しい思いをしてきましたが、最後の最後に壁を破り、10大会ぶり2回目の選手権全国大会出場を果たしました。
2.山形の「絶対王者」羽黒を破っての県大会優勝
山形は数々のサッカー強豪校がひしめく戦国時代に入っており、ここ15大会、2年続けて同じカードでの決勝になったことがありません。
そういった環境の中で、常に優勝争いを繰り広げているのが、県内では「絶対王者」と呼ばれている羽黒。これまで県決勝進出17回、優勝9回の実力校で、今大会も選手権にしっかり照準を合わせ、4大会連続で決勝に進出してきました。
試合は両チームの堅い守備が光り、スコアレスで終盤へ。このまま延長かと思われた後半終了間際の39分でした。東海大山形が羽黒陣内の深い位置でフリーキックを獲得。
MF寺沼世藍選手(3年)の正確なフリーキックに3人、4人と選手が飛び込み、最後はDF高橋蓮恩選手(3年)が頭で合わせ、これが決勝ゴールに。
県決勝ではこれまで3戦3敗だった羽黒に対して、4度目の挑戦でついに勝利を掴みました。
3.ベンチプレスで鍛えた肉体
東海大山形サッカー部の練習グラウンドに足を運ぶと、部室のすぐ前にベンチプレスの器具が置かれていて、誰もが自由に使えるようになっています。
朝早く来て、ベンチプレスを上げてから登校することが日課になっている選手も少なくないそうです。中には、入学当初より25kgも重いバーベルを上げられるようになった選手もいます。
もちろん、むやみやたらと上の重さを目指すのではなく、コーチングスタッフが、一人一人に合った目標の数字を設定しています。OBがコーチ、トレーナーとしてチームに帰ってきて、選手一人一人と近い関係で、きめ細かなケアを行っているということも、東海大山形の強みの一つです。
選手のプレーはもちろんですが、ぜひ、彼らの厚い胸板、大きな太もも、鍛え上げられた肉体にも注目してください。
4.試合の中で成長する中盤の要衝・中村選手
チームの中心選手の1人が、ボランチとして配球役を担う、中村陽紀選手(3年)です。
選手権地区大会準決勝ではミドルシュートあり、決定的なラストパスあり。セットプレーではプレースキッカーも務め、ゴール前に飛び込んで自ら得点するなど、万能タイプという印象でしたが、ゴール前に入って得点したシーンを五十嵐直史監督に振り返ってもらうと「中村があそこまで高い位置でプレーするとは思わず驚いた」との言葉が。
「自分がチームをまとめて全国に連れていきたい」と話していた中村選手。選手権全国大会への強い想いが、自身を成長させ、開花したのかもしれません。
続く山形大会決勝では、今度は、中村選手とボランチを組む青木大志選手(3年)が、準決勝の中村選手を彷彿とさせるようなミドルシュートを放って会場を沸かせる場面も。中村選手の成長が、姿勢が、チームに良い勢いをもたらしていることは間違いありません。
5.山形県勢18大会ぶりの全国選手権勝利へ
10大会ぶりに全国の切符を手にした東海大山形。山形の代表チームとして選手権全国大会で勝ち星を挙げてほしいと、多くの山形県民が期待を寄せています。
山形県の代表チームは、実にここ17大会、全国大会での勝ちがありません。18大会ぶりの全国勝利なるか、初戦から目が離せない戦いとなりそうです。
東海大山形の初戦は、12月29日に行われる愛媛代表・松山北との1回戦。
松山北も8大会ぶりと久しぶりの全国出場です。全国大会へ出場できなかった期間が長い分、両チームの思いが詰まった好ゲームが期待されます。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/山形放送)