J1初昇格の岡山「スポーツがある日常は人生を豊かにすると信じています」元ゴールドマンサックス証券の木村オーナーが語る“サッカードリーム”
サッカーJ1最後の1枠を争うJ1昇格プレーオフ決勝が7日に行われ、勝利したファジアーノ岡山が初のJ1昇格。前半20分にMF末吉塁選手の鮮やかなループシュートで先制すると、後半にも追加点を奪い、ベガルタ仙台を突き放しました。
歓喜の輪の中にいたのは、クラブ設立から携わる木村正明オーナーです。
木村オーナーは、クラブ設立となる2006年にゴールドマンサックス証券を退職して代表取締役に就任。当初は社員2人でスタートし、その年の暮れには、19人の選手が退団するなど苦境もありましたが、「子どもたちに夢を!」というクラブの理念に突き進みました。
以降はJリーグの理事や専務理事などを歴任し、2022年にオーナーに就任。2009年にJリーグに参入してから16年目で初のJ1昇格が決まり、「やっぱり本当に多くの方にお世話になってきて。うちは親企業のない珍しいクラブなんですよね。それを一人ひとりの力でここまで持ってきてくださって。途中でいろいろな選手たちも来てくれていろいろな監督にもお世話になって、一人ひとりの顔が思い出されてきました。日本語になっていますか? 頭が真っ白で、すみません」と目に涙を浮かべ思いを口にしました。
その根底にあるのは地元・岡山への思いです。
「スポーツがある日常というのは僕は人生を豊かにすると信じています。海外に住んでいるときにいろいろな人が地元のチームを自慢しているのを見て、『おまえの町には何があるの』と言われた時に何もなかったので。堂々と今の子供たちとかは、岡山には“J1のファジアーノがあるんだ”と言える訳なので、そういう地元にプロチームがある喜びを多くの方と分かち合っていきたいと思います」
また「ヨーロッパとかアメリカのクラブは160、170年の歴史ですから。我々まだ18年とか、20年たっていないクラブですから、これからいろいろなドラマを皆さんと作っていきたい。来年ここにヴィッセル神戸も来れば浦和レッズも来れば、とんでもない景色がこの岡山で見られますから。皆さんで一緒にまた戦っていければなと思います」と力を込めた木村オーナー。来季、Jリーグに新たな歴史を刻みます。